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敗れざる者たち (文春文庫 さ 2-2)

敗れざる者たち (文春文庫 さ 2-2)

敗れざる者たち (文春文庫 さ 2-2)

作家
沢木耕太郎
出版社
文藝春秋
発売日
1979-09-25
ISBN
9784167209025
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敗れざる者たち (文春文庫 さ 2-2) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

若き頃の著者が、スポーツの世界で栄光を追い燃え尽きていった者達の姿を描いたノンフィクション6編。前回の東京五輪マラソン競技で銅メダルを獲得した円谷幸吉という選手がいた。生真面目すぎるほどの生真面目で、更なる栄光を期待される重圧と、思うように走れない状況に耐えきれず命を絶った。遺書に綴られた哀しき感謝と詫び。根性と気合、ハングリー精神こそを求められた時代。燃えるのはいい、しかし燃え尽きてしまっては元も子もないと私は思う。時代のプレッシャーに対し果敢に挑み燃え尽きた者達の『敗れざる』栄光に悲哀しかない‼️🙇

2019/10/27

遥かなる想い

当時、あまり沢木耕太郎の本を読んでいなかったので、こんな本があるのだ、と思って真摯に読んだ記憶がある。「敗れざる者たち」というタイトルも日本的でよい。

2010/05/08

mike

勝負の世界に身を置き頂点目指して駆け上がり、期待されつつも、時の運に恵まれず散っていった者たち。ボクサーのカシアス内藤、輪島功一、野球選手の難波昭二郎、土屋正孝、榎本喜八、競走馬イシノヒカル、長距離ランナー円谷幸吉。彼等の熱い姿を描いたノンフィクションである。素質がありながら、あるいは大きな記録を持ちながら、例えば人気スター選手の存在や生真面目すぎる己の性格のせいで、勝者になり得なかった彼等の姿には目頭が熱くなった。輪島の世界王座返り咲き戦を動画で見たが、チャンピオンを凌駕する気迫に圧倒された。

2023/08/24

buchipanda3

著者初期のルポルタージュ6篇。ミスターこと長嶋茂雄が巨人に入団した時に居た2人の三塁手を描いた話などに興味が湧いて手に取った。勝ち負けのあるスポーツの世界、才能があり栄光に手を掛けながら特別なものまでは掴みきれなかった者たちが描かれている。それは単に巡り合わせによる運の無さの悲哀を語りたいわけではなかった。彼らのその瞬間に立ち会い、証言者を追い求め、その内なる心情に肉迫する著者の文章が結果をもたらしたものを浮かび上がらせる。40年以上前の話で古さもあるが著者の勝負に対する熱くて無垢な気持ちが伝わってきた。

2019/05/07

ふじさん

再読。カシアス内藤、円谷幸吉、榎本喜八、輪島功一等、はるか昔のスポーツマン。どれだけの人が覚えているだろうか。一度だけの青春の時を勝負の世界にすべてを捧げて燃え尽きたものの姿を若き日の作者が哀惜を込めて描いたスポーツロマン。今、読んでも登場する人物のその当時の生き様が蘇る。「長距離ランナーの遺書」は何度読んでも心が痛む。沢木耕太郎の初期の傑作。

2021/01/29

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