事件の年輪 (文春文庫 さ 3-25)
事件の年輪 (文春文庫 さ 3-25) / 感想・レビュー
セウテス
晩年を向かえ、自分の人生を振り返る男たちが、過去に見えていた事実と違う真相に気がつく10話の短編集。生き甲斐、介護、相続などの老いというものにテーマを当てている。ある日突然刑事が家を訪れ、殺人未遂の犯人が逮捕されて告げた名前や住所が、私だったら。ある日突然電車に乗っていたら、この人痴漢ですと手を捕まれたら。考えれば恐ろしい事だが、果たして起こらない言える程、遠い世界の事なのか。本作は淡々と読ませる文章、何処にでも居る身近な普通の人が、ある日一寸した事から犯罪を犯してしまう、そんな物語にやるせなくなります。
2017/10/25
秀玉
佐野さんは短編ミステリーが主。何冊も読んだが思い出せないものも多い。これも痴漢の冤罪だが、壮年男性が見えない恐怖がどこに結末するのかが思い出せない。佐野さんものは再読ですね。探しますか。
2021/08/06
さるきち
以前の切込みの鋭さは少なくなったかなと思われるが、文章の読みやすさとなめらかさは著者ならではのものがある。若干ストーリーに納得いかない面もあったが。男同士の関係から殺人にまでいたるか・・・?
2014/11/29
トライ
読みやすくてつるつる読んだ。腹八分目という感じです。登場人物がみんな老人でした。
2009/11/16
朱音
短編集。この本は登場人物が年配(ご老人)であるところが折鶴元刑事シリーズにもちょっと通じるところがあるかな。往年の迫力?はないけれど、読みやすさが健在なのはさすが。
2008/02/02
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