鮫とジュース (文春文庫 キ 6-3)
鮫とジュース (文春文庫 キ 6-3) / 感想・レビュー
harass
十数年前に読み飛ばしていたのを再読。読書力が上がっているためか非常に面白く読めた。亡くなった翻訳家東江一紀が思い入れたっぷりの訳者あとがき。原書1989年。ハリウッドを舞台の群像劇。私利私欲むき出しの連中ばかりで小気味よく、えげつない会話が持ち味。どう話が転ぶのかと実に個性的な登場人物たちの顛末はと、まあ予定調和でだいたい予測はつくのだが、なかなか良い読み物だった。しがなく世知辛い悲喜劇というべきか。同名ライターがいてちょっと紛らわしいがほかの作品も読みたくなった。レナード好きならぜひ。
2018/12/11
tom
東江一紀の名訳の一冊ということで借りて来る。情けない男たちばかりが登場しする犯罪小説。そういった男たちの珍妙な会話を、東江さんは訳し続ける。たぶん楽しみながら、原書の雰囲気を醸し出そうとしていたのだろう。名訳かどうかは、分からないけれど、文章を追いかけるのは楽しい。最後のオチには、なるほど、こう来たかという感じ。ただし、ストーリー自体は、一世代前のミステリー。たぶん、埋もれてしまう翻訳書。こういうところが、翻訳という仕事の切なさかもしれない。
2019/06/04
熊猫
しがない男と女と金の話。 ギャングとか刑事とかギャンブラーとか出てくるけど、主人公はお金。 でも決してキャラクタの描写がおざなりなわけではなく、金に対するあれこれで個性を浮き立たせていて、それがまた立派なクズっぷり。呆れる他ない。 そして東江さんの訳文、歯切れが良くてリズミカルで、このどうしようもない人たちが走り回る小説にピッタリだなぁ。
2014/08/25
おもち
なんだかエルモア・レナードを読んでいる錯覚に。軽くてスラスラ読める。
2012/05/22
かしわもち
なぜこの本を探してまで買ったのか思い出せない。
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