読書中毒: ブックレシピ61 (文春文庫 こ 6-9)
読書中毒: ブックレシピ61 (文春文庫 こ 6-9) / 感想・レビュー
akira
書評系の一冊。 プルーストやキングを紹介していたので購入。やっぱりキングは鉄板なんだなと。人の話を聞いたりこういう本を読むとがぜん興味が出てくる。 若い時の読書がなぜよいか?教養とかそういった『役に立つ』という視点を度外視すると、読んだ記憶で楽しめるものが多いことかと。名作はオマージュが多く、その後の読書が何倍も楽しくなる。 『とにかく、若くて、時間がたっぷりあるときに、『戦争と平和』などをよんで読んでおくのだ。ストーリーだけだけでも頭に入れておく。トシをととると、これが効いてくる』
2021/01/15
もりくに
文字通り、木曜日の「立ち読み」の楽しみが半減してしまった。小林信彦さんの「本音を申せば」(週刊文春)が休載になってしまった。もう半分の坪内祐三さん(同誌の「文庫本を狙え !」)には、酒を控えて(?)頑張ってもらいたい。あとがきによれば、北上次郎さん(本の雑誌)の依頼に応えて、「物語をいかに語るか」という形の小説論を、61のブックレシピという形で提示したものである。実作者であり、また良き鑑賞者である彼の特徴がうまく作用して、出色の「小説論」となっている。発表以来、20年を経過するが、内容は一向に古びない。
2017/06/19
みなみ
61の短いエッセイによって語られる小説論。ピンとくるものと(海外作家の小説を今まであまり読んでいないので)惹かれないものとの差が大きかった。「オープニングと映画の技法」では、情景が目に浮かぶ冒頭の描写として村上春樹のノルウェイの森が紹介されており、個人的には嬉しかった。あとは、「二人のチャタレイ夫人」には複雑な気持ちに。文学としてチャタレイ夫人の完訳が出版されるのはいったいいつになるのだろう…。
2018/02/19
阿部義彦
2000年の文庫化です、BOOK・OFFで見つけました。本の雑誌と週刊文春に発表したのを1冊にまとめたみたいです。パトリシアハイスミスについてしつこい位に触れています。小説の見巧者による小説論!詰まらないはずが有りません。筒井康隆、山本夏彦、橋本治など私好みの面々についても取りあげてくれてます。また読みたい本が増えてしまいました。
2015/12/10
おとん707
小説の何たるかを語る第1部と雑誌掲載の日記形式のエッセイを纏めた一冊。私が今まで読んだ小林信彦の作品は軽めで一風変わった上質なギャグ的なものだったので本書の正攻法の評論には正直戸惑った。しかも対象は文学と映画を縦横無尽に行き来する。しかも大半は読んだことも観たこともない本や映画。それでも名前くらいは知っているものが出てくると文学にせよ映画にせよ手に取ろうという気にさせてくれる。プルーストの「失われた時を求めて」なんかは遥か雲の上の存在と思っていたが、なるほどそういう読み方もあるんだ、と教えてもらった。
2022/05/05
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