レッド・オクトーバーを追え 下 (文春文庫 ク 2-2)
レッド・オクトーバーを追え 下 (文春文庫 ク 2-2) / 感想・レビュー
absinthe
面白かった。映画も良かったが小説も良い。小説の方がより潜水艦らしさが出ているかな。相手をだますトリックも凝っている。後半は怒涛の展開で物語が潜水艦に集中する。映画のような派手な動作ではなく、動きを悟られないような静かな動きとなった。潜水艦らしい戦い方。安全な場所に身を置きながらこういう場面を読めるというのは幸せだ。映画とは最後の解決法が違っていたが、どちらも良かった。
2022/02/02
zero1
政治将校の口を封じたラミウス艦長は元教官としての経歴を利用。信頼できる乗組員たちと極秘命令として独自行動をとる。米側は老朽艦を用いた偽装作戦を立案。うまくいくかと思ったがソ連原潜が見抜く。緊迫した空気の中、ついに戦闘が始まる。MVPは米原潜ダラスのソナー員ジョーンズ。まさに音の名人。彼のような脇役がいて、初めてこの作品は成り立つ。軍隊は総力戦。勇ましい軍人だけでなく分析官や交渉に優れた人がいなければ破滅が待っている。再読なのに、この緊張感は手に汗握る。秀作はいつ、何度読んでも輝きを失わない。
2019/12/13
megumiahuru
丁々発止の情報戦に心理戦、冷戦時代が舞台だけれど、現在でも同じようなことは繰り返されているのではないか。そう思わせるだけの物語の骨格と細部のリアリティのある作品でした。互いに最新兵器を手に睨み合いを続けている状態の中で、単なる脅しで発砲してしまったり、相手の意図を読み違えて反撃したり・・・軍事的均衡の危うさ、脆さを思います。 翻って、レッドオクトーバーに乗り込んだライアンたちの間に芽生える不思議な友情! 顔が見える関係こそが、平和を作る鍵なのだと思わされました。
2014/04/03
James Hayashi
多少時代的錯誤、潜水艦の位置関係、専門用語など読みづらい所もあるが、ミリタリー関連の作品としては傑作に挙げられるであろう。下巻の緊張感は半端でなく、早い展開で各艦の様子を章を変えて書いている事は白眉である。個人的には(見ていないが)映画の方が見応えがあるような気がする。
2017/07/16
トンちゃん
ハラハラドキドキする追撃戦から最後の一悶着まで一気読みでした。 結構早い段階で亡命に成功したのでなんかあるなと思ったら案の定!またジャック・ライアンも主人公らしく活躍する巻でもあります。でも、普通に呼んでたらライアンが主人公なのか判然としない控えめな登場という印象です。この次の作品はライアンが有名になるとある事件について、本作でも簡単に仄めかされているストーリーが語られるとのことで、そちらも期待大♪ アマプラで見られるライアンとは少々趣が違いますがミリタリー小説として楽しめる1冊でした。
2020/05/10
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