あ・うん (文春文庫)
あ・うん (文春文庫) / 感想・レビュー
Cinejazz
軍靴の響きが鳴りやまぬ東京下町を舞台に、軍需景気で羽振りのいい金属工場の社長・門倉修造と、製薬会社勤務のサラリ-マン・水田仙吉の家族が織りなす人間模様を、戦争への道を歩む世相を交えながら、軽快なユーモアと涙で語られる7章の連作小説。神社の鳥居に並ぶ一対の狛犬の阿・吽(あ・うん)になぞらえた門倉と水田の親密な仲ゆえの衝突、嫉妬、愛憎の心境をぶつけ合いながら、阿吽の呼吸で元の鞘に収まっていくという、向田邦子さんが生きた時代の人々を投影しているかのような愛情こまやかな物語。
2021/07/26
きゅうり
言わないほうが、いいこともある。
さざなみ
昭和8年頃の時代背景が良く分かり我々の世代には懐かしい事柄が随所に出てくるのもうれしい。以前に見たことがある高倉健と板東英二の映画を思い出しながらの読書でもあった。最近NHKで1980年に放送されたドラマを録画したものを見るのを楽しみにしている。
2021/12/15
kimoiue
プラトニック・ラヴ。 取り返しのつかない所まで行きすぎると、自分を貶めてでも関係を絶つ。絶たねばならない。わかるなぁ。 読んでると映像が勝手に浮かんでくる向田先生。すき。
2020/02/06
えど
言えない事情、秘密。 一号さんと二号さん……仙吉たちも焦り焦り。 大人の複雑な事情を見ながら成長するさと子。さと子と同い歳ですので、移入してしまいました。 仙吉に対しての門倉"たかり"発言は酔ってのこと? いろいろ修羅場を掻い潜る大人たちの行動、ドラマで見ても面白いだろうなと思いました。
2019/12/11
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