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きんぎょの夢 (文春文庫 む 1-14)

きんぎょの夢 (文春文庫 む 1-14)

きんぎょの夢 (文春文庫 む 1-14)

作家
向田邦子
出版社
文藝春秋
発売日
1997-08-06
ISBN
9784167277147
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きんぎょの夢 (文春文庫 む 1-14) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

読メにてお気に入り読友さんのレビューを拝見し、手にとった作品です。だいぶ前に書かれた作品のようですが、不思議とほとんど時代を感じさせないスッキリとした内容です。現在もたくさんの女流作家さんが活躍されていますが、そういった作家さん達の原点であり、パイオニア的な方なんでしょうね。ばななさんや桜木さん、マハさんっぽい雰囲気がしっとり、そしてほっこりと綴られています。色んな作家さん、作品を手にとって、改めて向田先生の作品を読んでみると、いかに先生が偉大かが伝わります。文体から'余裕さ'がひしひしと伝わってきます。

2017/10/29

とん大西

やはり向田さんはイイです。昭和の人情、心模様が静かにしみわたります。表題作「きんぎょの夢」は妙齢の砂子の哀愁がやるせない。かりそめの親子のふれあいを描く「毛糸の指輪」は初老の夫婦の日々がやけに愛しい。グッと沁みたのは結婚式前日の両家を描いた「母の贈物」。数年前に駆け落ちした母伸子の突然の訪問をうけた秋子。明日からは新郎正明と彼を女手ひとつで育て上げたフミ子との新しい家族の日々。望み、確執、くちおしさ。秋子と正明、それぞれの母への思慕。それは哀しくて優しくて。最後は…やはり泣けてきたょ。胸にせまります。

2021/06/01

じいじ

3中編。表題作がとても好きです。向田さんの描く「恋」は、艶やかさはありませんが、却ってそれが彼女の味であり、リアル感に優れていて私は好きです。物語は、父親亡きあと、父親代わりに奮闘する長女・砂子を軸に展開。砂子女将のおでん屋は、カウンターに三匹の金魚が泳ぐ水槽が置かれて、とても居心地がよさそうです。ある日、女将が仄かに恋心を抱く客の妻から「おでん」の出前注文が…。体よく断るかと思いきや、「承知しました!」と返事。女の意地をかけた火花を散らす、この勝負は圧巻です。著者は見事なまでの大岡裁きを見せてくれます。

2022/02/26

優希

昭和の匂いが濃いですが、いつの時代にも当てはまりそうだと思いました。ハッピーエンドではないものの、物語の苦味を味わうのが好きです。

2021/05/10

mint-s

全3話。ドラマを見ているようだなぁと思いながら読んでいたら、向田ドラマの小説化だそうです。身近に居そうな登場人物の心情が違和感なくスッと伝わってきました。結婚を控えたカップルのそれぞれの母親の女の部分が見えた「母の贈物」が特に面白かったです。

2018/02/27

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