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阿修羅のごとく (文春文庫 む 1-17)

阿修羅のごとく (文春文庫 む 1-17)

阿修羅のごとく (文春文庫 む 1-17)

作家
向田邦子
出版社
文藝春秋
発売日
1999-01-08
ISBN
9784167277178
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阿修羅のごとく (文春文庫 む 1-17) / 感想・レビュー

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takaichiro

邦子さん。昭和を代表するホームドラマ原作の大御所。父母・4人姉妹の6人家族を中心に目まぐるしく起こる出来事を、ドタバタの音が聞こえる様なシーンチェンジとスピードで展開。セリフが多く小説というより24回シリーズの台本。70を超えた父親の愛人の存在、長女は不倫、次女は夫の浮気を疑い、三女は独身を悲しみ、四女はボクサーの卵と同棲。母親のふじは物事に動じない、所謂肝っ玉母さん。ふじによってかろうじてバランスを取っているが、ふじは急逝を遂げる。扇の要を失うが父姉妹はそれぞれの思いを生きる。昭和の活力、僕は好きです。

2020/01/07

びす男

気が強くて怒りや争のシンボルである「阿修羅」を女性になぞらえた。個性的な4姉妹のてんやわんやを、慌ただしく描く■自分の意見を曲げない彼女らは、すぐのぼせ上がり、けっして同じ方向を見ない。では、いさかいを絶やさない彼女たちは仲が悪いのか――。そう言い切れないところに家族の不思議さがある■「姉妹ってへんなもんね。ねたみ、そねみも、すごく強いの。そのくせ、姉妹が不幸になると、やっぱりたまんない…」。関わりたくないモメ事の連続こそが、家族なのかもな。こんな風に首を突っ込み合う家族は、今、どれほど残っているだろう。

2018/03/03

優希

四姉妹の悲喜こもごもと昭和の家族の日常が興味深かったです。姉妹の抱える問題それぞれが、そういう想いをしてしまうものだと共感しました。庶民の香りが漂うからこそ惹かれるものがあるような気がします。父親に愛人がいたことが事件のように語られますが、そこから考える家族のあり方というものがあると思いました。肉親の愛憎劇ながらも何処か平凡な空気が好ましい。昔録画したドラマがあるはずなので、そちらも見てみたいですね。

2017/05/29

じいじ

「女」が三人寄ると「姦(かしましい」と言いますが…。こちらの主人公は四人の姉妹です。世相をとらえた今作は、めちゃくちゃに面白く楽しく読み終えました。同じ両親のもとに生まれた四姉妹だが、血筋は同じだから風貌は似てても、気性も性格も違います。両親・姉妹が本音でぶつかり合う愛憎がキメ細かく描かれています。随所に向田ユーモアが散りばめてあって、読み手を和ませてくれます。娘三人が、或るお宅へ殴り込みをかけることに…。気合を入れるつもりで、「下着を新しくしてきた」には思わず笑いが…。向田さんらしい傑作の逸品です。

2022/01/11

ALATA

「女三人寄れば姦しい」。然らば、四人集まるとどうなるのか?父親の浮気問題をきっかけに四姉妹が阿修羅のごとく大騒ぎする。それぞれ悩みを抱えながらも、懐かしい昭和の家族愛が温かく描かれ面白い。シナリオ形態で、戸惑ったがテンポの良い会話が漫才を見ているようで心地良かった★4※映画版を見て、大竹しのぶさんの綱子役がピッタリだなぁと感心しきり。

2022/02/19

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