家族熱 (文春文庫 む 1-19)
家族熱 (文春文庫 む 1-19) / 感想・レビュー
鉄之助
向田邦子の放送台本をもとに、中野玲子が小説化。夫が別れた妻とひそかに逢っていることを知った主人公が、家を出る。家族の「崩壊」と「再生」の物語。向田流のせりふ回しが秀逸だった。「十三年かかったんだ…。前の奥さんの瀬戸物を全部取り替えるのに」 高い瀬戸物も、わざと割って買い替えた、女の執念を見事に表現していた。「完全無欠な健康体がないように、完全な家庭などありえないのかもしれない」(13ページ)。大いにうなずける。ズンと胸に響いた。
2023/12/26
スエ
「社宅」の次は「後妻」。我ながら実に香ばしい流れである。このままレディコミ路戦を突っ走るか、三島由紀夫のレター教室を再読するか。現在迷い道くねくね中のスエであった。なんと、17歳(好きなんだもの〜♪)年下の後妻ッ ❢長男とは7歳差。こりゃ、レディコミと言うよりメロドラマか?!オラ、ワクワクすっぞ!!「奥さんッ」「およしになって」よろめきつまづきホトトギス。夫の前妻まで出張ってきて、まさに昼ドラ!実は再読。一粒で二度美味しい、グリコアーモンドキャラメルの様には甘くいかない向田作品。ラストは「ありがとう」!!
2022/09/27
優希
壊れそうな家族が描かれています。子供2人、厳しい舅姑のいる家庭の後妻に入った朋子。しかし、夫が前妻と会っていることで家を飛び出したのは思い切ったことだと思います。壊れそうな家庭が壊れた瞬間と言えるでしょう。家族のエゴを見事に描き出していると感じました。
2021/05/10
かいちゃん
向田邦子さん2冊目ですが、物語の流れがおもしろい。また女同士の争いがそこかしこに出てて「女っていざというとき怖いなぁー」って思ってしまいました。
2021/02/22
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
息子が2人いる家庭に後妻で入った朋子と、その家族の様々な出来事。先妻の恒子がチラチラと現れ始めてからゴタゴタとドタバタ。全部の人が譲れないこだわりを持ち未練とか出世欲、金銭欲、恋心、下心ががっちり絡まり騒ぎが大きくなってくる。なかなかシビアなラスト。懐かしい向田節。
2020/03/26
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