千日の瑠璃 下 (文春文庫 ま 3-8)
千日の瑠璃 下 (文春文庫 ま 3-8) / 感想・レビュー
吉野ヶ里
読了。昔、予備校の模試で出た文章で、ずっと心に残っていた一作。予想の十倍は気合いを入れて読まなければならなかった。端正な文章を書く作家です。始めに、最後の日付を確認してから読んだため、あと何ヶ月、あと何日と時の経過を味わうように読みました。正直、心踊るような物語ではなかったですが、静謐な時間を与えてくれます。体力と時間を無限に取られるので、十年に一度くらいの頻度で手に取りたいですね。読書というか、瞑想というか、なんだったんだこの時間は。
2020/07/06
ダナヲ
ようやく読了、千人称による千ページの物語。ふう。カバーめくってすぐの作者の言葉に、純粋に拍手喝采を送りたいです、パチパチパチ。こんなもの書き出して終わらせるなんて正気の沙汰じゃないやい。化物領域。でもまたいつか読みたいとおもった。難解哲学ではないんだけど緊密見事。大きな経済に流されつつある小さな町で、いろんな個性を持つ人が住み関わり合い生きていて、それらを横切るように世一が踊る様と、オオルリが包むように飛んでる様がなんだかニヒルでアイロニックで、ときどきすごく可愛くって、とてもいい。
2012/09/25
yojohon
修行のような読書、完!1000の視点で物語が綴られ、中核にいるのは少年世一とオオルリ。多角的ではありますが、世一のピュアさと世界をぶれることなく見据える彼の視点が、まさに地軸であったのですな。人間はちっぽけで切ないが、世界は壮大。ズレまくりブレまくりの私の地軸を鍛えれば、今見えてないものも見えるのだろうと、修行僧のような気分でオツ。
2012/08/13
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