だいたいで、いいじゃない。 (文春文庫 よ 16-3)
だいたいで、いいじゃない。 (文春文庫 よ 16-3) / 感想・レビュー
あふもん
読みようによってはこの本事態も全否定してるんじゃないの?という解説も含めておもしろい。
2012/12/13
greenman
本書は1997年から2000年までの中断期間を入れた吉本隆明と大塚英志の対談本だ。基本構成は、吉本隆明に対して大塚英志が自分の考えを聞いてもらうというスタンスになっているように見える。現代サブカルチャーに精通する大塚と、それには疎いが戦後思想を引っ張ってきた吉本は感性が共通している所と違っているところがハッキリしていて、読んでいてその落差について考えてしまう。特にオウム事件、江藤淳、日本文学についてよく語る。本書は90年代とゼロ年代をつなぐ橋にもなっている所が散見するのもおもしろく読めるポイントだと思う。
2013/01/15
なつのおすすめあにめ
喧嘩っ早いイメージの大塚英志が終始落ち着いているのは、吉本隆明へのリスペクトも当然あるとして、まあタイトルにあるような「だいたいで、いいじゃない。」な空気によるものなのかもしれない。江藤淳もドゥルーズも、吉本のように「だいたいで、いいじゃない。」と言えてたなら自殺しなかったのだろうか。90年代サブ・カルチャー(と地続きの80年代)の総決算的な読み物としても読めるでしょう。→エヴァ・ハルキ ムラカミ・ガンダム・オウム・完全自殺マニュアル・宮台・原発・ビートたけし・小林よしのり・酒鬼薔薇・忌野清志郎・佐川一政
2019/07/01
白義
タイトル勝ち。内容も濃くて面白いのですがやはりこのタイトルにこの二人、という取り合わせがもう、しっくり来ますね。内容も90年代後期の、エヴァやオウムやら江藤淳自殺などから互いがゆるりと言いたいことを言う感じ。吉本隆明の、無倫理まで包摂する倫理を語りたいとか、あとオウムに関する発言が面白いですね。吉本隆明と言えばオウム事件で名を下げたと言われていますが、読むとなかなかどうしてその麻原論、オウム論が一本調子でなくて面白い。、オウムの見誤りで吉本は失墜したという物言いは、やはり単純なようです
2011/07/20
ダイキ
吉本隆明、エヴァンゲリオンを語る(笑)。話題の殆どはサブカルチャーの侵蝕した現代の時代相と江藤淳について。例によって問題が天皇となると碌な事になってない。問題が天皇からサブカルに戻った途端にさっきの発言と辻褄の合わない事を平気で口にしている。江藤淳の遺書を「あれは江藤さんの最後の名文で、あれだけ取ってくれば、あれはもう鷗外だと言ってもいいくらいです。はっきりしていて決断力もあって古典性もあって」と吉本が評しているのは、吉本隆明という人はああいうものは絶対認めないと思っていただけに大変驚きました。
2018/04/24
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