恐婚 (文春文庫 296-3)
恐婚 (文春文庫 296-3) / 感想・レビュー
駄目男
別れた夫婦や元恋人同士なら真の友達になりえると思っている。事実、一緒の部屋に居てもおかしな気が起こらない。はっきり言えばお互いにもう″したくない”から友達になりえるのだ。本書は離婚してせいせいしたところで、なんとなく同棲を始めたおかしな二人の“家庭”に、困った癖のある家政婦、その娘の驚くべき美少女、そのまたボーイフレンドが次々と住みつき、どうにも風変りな雑居生活が始まるという物語。誰と誰がどうなって結果はなるようにしかならないとでもいうような話だが、まあ作者が色川武大だから敢えて買ったような本なのだ。
2023/04/22
さっちも
名作「離婚」の続き。自分を必要以上に大きくみせない、相手を尊重して、規範にとらわれない自由な主人公の生き方が男らしい。
2016/07/29
hirayama46
直木賞受賞作の『離婚』の続編。ダイレクトに続いているのですぐに読めて良かったです。新キャラとして働きものの新たな同居者であるカル子さんと、その娘さんのハム子さんが登場。いいネーミングですね。実際ふたりともけっこう人格的には危うくて、ハム子さんは若さのせいだけでない軽率さがありますし、カル子さんに至っては窃盗の常習者であります。そんななのに妙にチャーミングなのが不思議ですね。ラストの表題作において、別の男と結婚したはずなのに家を買ってほしいとねだるすみ子さんはさすがにすごいな、と恐怖しました。
2021/04/20
久守洋
ですます調で語られる、夫婦ものの続編。私小説的だが、いささか迫力に欠けている。
2014/01/24
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