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チャーム・スクール 下 (文春文庫 テ 6-6)

チャーム・スクール 下 (文春文庫 テ 6-6)

チャーム・スクール 下 (文春文庫 テ 6-6)

作家
ネルソン・デミル
田口俊樹
出版社
文藝春秋
発売日
1996-01-01
ISBN
9784167309565
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チャーム・スクール 下 (文春文庫 テ 6-6) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

下巻に入って、ますます緊迫の度合いを増しスピードも大幅に上昇する。陳腐な表現だが、まさに手に汗握る展開である。次から次へと息もつかせない。結末は予想がつくといえばそうだが、当たったのは半分だけ。後の半分は思いもかけない幕引きであった。その意味では謀略ミステリーとしても読者を翻弄する。ソ連(とりわけKGB)を描いているようで居ながら、究極はアメリカの真の姿を炙り出すのである。終盤はややランボー(詩人ではなくて映画の方)めいてはいるが、まずは許容範囲か。映画化されたのかどうかは知らないが、極めて映像的な手法。

2021/04/25

みも

下巻に入り、いよいよ「チャーム・スクール」なるものの全貌が明かされる。僕の想像を遥かに超える精妙なシステム。取りも直さず考案したのは著者自身であろうが、その圧倒的な独創性とリアリティには驚嘆するばかり。現代の北朝鮮にもなぞらえる事が出来そうな、かつてのソ連という国家の深遠な闇と冷酷な管理体制を描きつつ、その実、著者が示したのは「西側の腐敗」であり「権利と責任を持つ自由な人間」ではなかろうか。ペンタゴン・CIA・国務省の覇権争いや確執が巨大な波濤となり、結末にもたらされるその大義に悖る殲滅作戦は残酷過ぎる。

2021/04/28

Tetchy

上巻で抱いた不安に対してデミルは全く私の想像を超えた設定を持ち込む。これには全く以って脱帽。デミルは登場人物一人一人に哲学をしっかりと設定する。そして彼らがその己の規範に従い、時には呪縛を感じながらも行動する。一人一人が脈打つ実在の人間のようだ。この小説は単なるエスピオナージュ、スパイ小説ではない。人生讃歌である。誰一人として単なる主人公の引き立て役の駒で終わっていない。そういっても過言ではないだろう。特に最後の結び方に人生を生きることの難しさとデミルのアイロニーを感じた。

2009/08/23

泰月

フィクションなのにリアル。拉致問題って、こういうことか。

2020/07/12

minamimi

表紙に付いている帯がひどい。読み終わるまで気が付かないで良かった。ネタバレしてますよね。最後まで一気読み。ホリスとローズのベッドシーンはちょっと鼻白むけど…。先に読んだ米原万里さんの『ロシアは今日も荒れ模様』と同時代。テイストは全く違うけれど同じロシア。面白い。

2021/07/29

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