父の酒 (文春文庫 や 10-3)
父の酒 (文春文庫 や 10-3) / 感想・レビュー
奏市
著者の本は初めて読んだ。タイトルから酒メインのエッセイと思っていたら、そんなに飲む人ではないようでもあり酒の話はあまりなく、絵画・写真、東京の街、戦前と戦後について、テレビなど日常の話題から成るエッセイ集。開高健のエッセイとかで著者の話題が出たりしててどんな人か気になっていたが、世間の風潮などから少し身を置いて冷静に批評する姿勢が印象的だった。『本の置き場所』「しかし本が増えすぎて嘆かわしいのは、家が狭くなることもだが、それを読む時間が自分にどれだけ残っているか、と、考えるときである」なるほどな感慨。
2024/05/18
しんこい
小説論から始まって文学やジャズ、絵画だけでなく東京やら映画、愛犬と幅広い題材を取り上げています。面白いのはやっぱり表題のエッセイとゴリラや京都を扱う終盤のエッセイかな
2015/08/02
Gen Kato
再読。『ついの棲み家「東京」』の、「私たちは極楽よりも地獄に住みつくように出来上った人間なのだ」という一節がぐさりと食い入る。
2015/05/07
ひろき
表題作いい
2022/05/23
無意味への献身
表題作も素晴らしいが、何よりも長部日出雄による解説が、解説でありながら独立したエッセイになっていて何度も愛読している。こういう上質な解説はちょっと見たことがなかった。ここ数年で、安岡さんも長部さんも亡くなってしまった。
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