滑稽糞尿譚: ウィタ・フンニョアリス (文春文庫 や 10-4)
滑稽糞尿譚: ウィタ・フンニョアリス (文春文庫 や 10-4) / 感想・レビュー
こばまり
豪華なアンソロジー。多くの御仁が小粋な短編を披露している中、阿川弘之氏はしつこい。手を替え品を替えよくもまあ。雲古噺でちょっとしんみりさせるなんてニクイ。編者安岡章太郎氏による文庫版のあとがきは、当時逝去間もなかった吉行淳之介氏への追悼文だ。
2017/12/07
佐島楓
尾籠な話ばっかり・・・。笑ってしまうというより、悲哀がつきまとう感じの作品ばかりだった。人(動物)である以上、逃れられない宿命ですからね・・・。
2016/03/21
田氏
尾籠な話にならざるを得ないのは、本のタイトルとコンセプトにより運命づけられているので、予めご承知おき頂きたい。しかし、本書の扱うテーマ即ちイクスクリータの産生が、生きる上で最も重要な活動の一つであることも断言しておこう。それを明示しているのが、収録作のひとつ阿川弘之「黒い煎餅」である。曰く、男女秘戯の悦びよりも命に永く多くついてまわるものだと。でありながら、論語も新約聖書もコーランも、出るものについては言明を避けているという指摘が興味深い。清浄とは汚濁から目を背けることなのか、それとも共に歩むことなのか。
2018/05/15
ネムル
糞尿放屁アンソロジー。古代中国で便器に蛾の翅を大量に入れた壺を使うことで、糞をすぐ目に見えないところに覆い隠してしまう風雅な風習(?)や、火を食い火の糞をする幻獣の故事、またはラブレーの抄録に大笑いするも、やはり吉行淳之介の実話怪談(猥談?)風の「追いかけるUNKO」にトドメをさす
2013/12/17
mawaji
頭木弘樹「うんこ文学」からの派生で手に取りました。谷崎潤一郎「厠のいろいろ」何年振りかで実家へ帰った時の便所の嗅ぎ慣れた匂いはまさにプルーストのマドレーヌの香りに通じる(?)ものがあります。阿川弘之「屁の一つ出た勢ひに実も出た経験は小学生の頃にあったかも。円地文子「押し入れの中」はとても味わい深い文章です。。金子光晴「あらゆる生物のいきいきした魅力は、生命の精髄を消化し、消化しきれなかったものを排出する行為」なのですね。「ウンコへの寛容さ」が問われるスウィフト「ガリヴァー旅行記」、読んでみたくなりました。
2023/08/13
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