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遊動亭円木 (文春文庫)

遊動亭円木 (文春文庫)

遊動亭円木 (文春文庫)

作家
辻原登
出版社
文藝春秋
発売日
2004-03-12
ISBN
9784167316075
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遊動亭円木 (文春文庫) / 感想・レビュー

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翔亀

金魚三部作(勝手に命名)の第二作は、盲目の落語家が主人公の連作短編。カエルのように進化した金魚ハマトウは、作品のクライマックスとなる金魚池のある庭園づくりの象徴として登場する。本書は、あるマンションに様々な事情によって、世間から逃げるように住み着いた家族たちのコミュニティ作りといってよい。庭園はその拠点となるべくして作られるのだ。各話が、大相撲/中国の岩茶/町長選挙/亡命と難病/江ノ島/金魚等等と、めくるめくように作家得意の素材が使われ、それぞれの人生が語られ重ね交錯されていく。主人公が落語家だから、↓

2017/04/29

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

不摂生が祟り、糖尿病から盲目になった二つ目の噺家、遊動亭円木。妹夫婦が経営するマンションの一室で日がな自らの底を覗く日々。スポンサーの明楽の旦那、訳ありなマンションの住人たち。軽妙な語り口、生と死、男と女、現世から少しズレたあわいの世界を漂っているような読み心地。貯水池にゆらゆらと泳ぐ金魚のように、遊動亭円木の世界にいつまでもいつまでも浸っていたくなる。

2017/07/28

キジネコ

放蕩を尽くし 盲の患いを得て師匠からも離縁された噺家円木、志ん朝と枝雀亡きあとは此の人、と言わしめた筈が妹夫婦の居候として逼塞する身に。視界の不明が濃くなるにつれ 己の内側を覗き込むような日々に 外と内の闇が溶け合って 現と幽冥夢幻が入り混じる世間を生き始める。潔く歯切れの良い語り口で 名残の江戸事情諸々や人の繋がりを饒舌に語り 忘れていた人情の機微を思い出させてくれる「味わい絶品」の短編集、円木その人も良いが場を占める各々の人が憎い程の描き様、「粋だねえ」「乙だねえ」の声がもれる 文句なしのお勧めです。

2014/09/01

つーこ

盲の噺家が主人公。落語の話に絡めて周囲の人々との話が語られる。盲の世界を沼の中と表現し、金魚のようにゆらゆらと幻想と現実を漂い、少しエロティック。何とも不思議な世界だった。だけど落語のようなオチやキレがなく、読み終えるのにすごくすごく時間がかかってしまった。決して嫌いな感じではないんだけど。この本は、本屋でジャケ(?)買いした。表紙と題名と裏表紙の説明文に惹かれて。当たりもあれば、この本のようにもう少し寝かせた方がいい場合もある。それも本屋探索の醍醐味。

2018/11/18

はちてん

つい先日読み終わった本。何かが引っ掛かって気になって気になって再読。人情話なのだけど違和感がある。悪い意味ではない。円木さんって本当は金魚池で溺死したんじゃ?!(笑)この世の話なのかなぁ。ハマトウから見た巷、妄想…。円木さんがハマトウ?!気になって再読したけど何もわからなかった。難解な小説ではないけれど、辻原登の罠にはまった気がする。蝦蟇頭…。

2014/07/13

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