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発熱 下 (文春文庫 つ 8-6)

発熱 下 (文春文庫 つ 8-6)

発熱 下 (文春文庫 つ 8-6)

作家
辻原登
出版社
文藝春秋
発売日
2005-03-10
ISBN
9784167316099
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発熱 下 (文春文庫 つ 8-6) / 感想・レビュー

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KAZOO

後半も一気に読んでしまいました。今現在ではあまり考えられないことですが、ひと昔ではこの中にあるような経済的事件のようなものが頻繁に起きていました。ただ辻原さんのいいのは単なる経済小説的ではなく情緒的な側面を入れ込んだり、古典の話やクラシックなども出てきたりして、知的満足感を与えてくれます。

2014/07/26

黒豆

金融関係のやりとりも面白かったが、龍と綾の関係が良かった。欲を言えば金融の突っ込んだ話も期待したが。

2015/10/27

鬼山とんぼ

金融恐慌時はアナリストで作品の舞台の近くにいた。当時はまだ大蔵省で、モデルも大体見当が付く。男女の話は川端康成や立原正秋の作品みたいで、愛情を持ちながらストレートに結びつくことのできない関係を耽美的に描こうとしたという印象。一方で金融市場は権謀術数渦巻くドライな世界。当局も含め殺伐でスピーディーな判断で埋め尽くされる。辻原さんはあえて本来相容れない同士を強引に接続させるチャレンジをしたわけだが、あの金融恐慌は戦後政治の闇も絡んでおり、それに強い義憤も感じて日経朝刊連載の場で剔抉したかったのではないかな。

2024/08/26

tegi

20章には泣かされました…。ある男の死の瞬間を描く手さばきが美しくて美しくて。/壮大な物語のようでいて、気づいてみればある男が熱を出して再び起き上がる、というただそれだけのお話。その清々しさ!読むものもまた、熱を出して治ったあとのような軽やかな気だるさと快さに包まれる。/なおぼくは金融については門外漢ですが、謀略・諜報小説としての味わいは一級であること、保証いたします。

2012/12/19

ヨシオ・ペンギン

ヘッジファンド、空売り、自己廃業やらなんやら。門外漢にはまったくわからない言葉がならんでいる。しかし、これだけはわかる、ドロドロしてんなー。お金のことやら女のことやら…現実で汚いと思うようなことをまじまじ見せつけられる。しかしそれでいてどこか乾いた印象もある。呉の思索。ところどころの引用、私はそんな中にこそ、この小説の醍醐味があるように思えた。株が全く分からないからかもしれないが。

2011/07/07

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