麻雀放浪記 4 番外篇 (文春文庫 あ 7-6)
麻雀放浪記 4 番外篇 (文春文庫 あ 7-6) / 感想・レビュー
ホークス
色川武大こと阿佐田哲也の半自伝、終巻。坊や哲と呼ばれた著者も30才頃で、性に合わない会社勤めの日々。好敵手のドサ健は一か八かの雀士を続け、著者の弱さを軽蔑する。時にはヤバい勝負に加わるが、もう獣の力は戻らない。代わって本巻の主役は、両手とも親指だけ無事(他の指はツメられた)の、狂気を宿す男。暴力と世間の激しい攻撃をかい潜り、勝負に執念を燃やす。解説の柳美里は、老いてなお博打で借金する父親のことを語る。怨嗟のトーンではない。私は偏りの現れ方だけだと思う。他人を追い詰めたり、自分に酔い痴れるより博打の方が潔い
2023/06/18
tom1969
番外編まで読み終わりました。本書は、麻雀に対しての執着心とアウトローとしての孤独な戦いと修羅場が列記されていましたが、各シーンでの血生臭さがやたら興奮した。つくづく、ギャンブルに対して素人で良かったと思った。
2017/01/16
Valkyrie
【図書館本】玄人から足を洗って勤め人となった坊や哲は舞台から退場。傍観者だが所々作者本人の姿が重なってる感じがする。上野も愚連隊が幅を利かせる時代になったが、それでも舞台に立ち続ける一匹狼の「ドサ健」も居場所がなくなって苦しい。本人も時代に淘汰されることに気づいていながらも斜に構えて粋にあり続けようとする姿が哀しくもカッコいいのだ。巻末の解説で柳美里さんがドサ健を「退場が遅すぎた博打打ち」と表現していたが正しくそうだと思った。「四色の置土産」はドサ健ならでは。
2021/08/23
Book Lover Mr.Garakuta
【図書館】【速読】:良く分からないまま読み終えたが。戦後直ぐの復興期から博奕に人生をかけた人物の事が書かれていた。正直、麻雀に付いては良く分からないので、この小説本来の醍醐味は分からないまま読了したけど。戦後復興期からの暮らしぶりを匂わせるには充分な内容の小説だった。いかさま博奕やヒロポン等の薬物に手を染める話なので、青少年にはお勧めできる本ではないが、ある種の娯楽小説なので、成人したら読んでおきたい本だと思いましたが。麻雀そのものについてはある程度明るくなりたいと思いました。
2023/03/03
イズム(清瀬泉夢)
主人公が坊や哲ではないので、ちょっと違った雰囲気になってますが、また違った面白さがありました。あらゆる技を駆使して相手を食いつぶすというまさに弱肉強食さが、シリーズを通しても今回は、かなり死闘だったのではないでしょうか?ドサ建よりも坊や哲派なので、番外編よりもそれ以前のシリーズのほうが、自分はすきなんですが、これはこれでいいと思います!
2014/07/21
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