熱 (文春文庫 た 8-8)
熱 (文春文庫 た 8-8) / 感想・レビュー
じいじ
8作目の高樹作品だが、俗にいうエロ度合いは入浴シーンの際どい描写など濃い目だったが、淫靡さは感じさせないのは流石である。夫の22歳の若い女との浮気が発覚。1年前かららしい、そして妊娠…のお決まりコースだ。「愛しているのは、おまえだから別れない…」と夫は勝手な言い分を宣う。そして、離婚するものの、焼けぼっくいに火が…。どうも女の方が役者が上でオトナだ。男の方は少々女女しくて不甲斐ないー。高樹小説としては、芥川賞作家としての巧さを感じるが、私的には既読の『透光の樹』『氷炎』『蔦燃』の方が好きである。
2021/12/01
けいこ
レビューを書くのが難しい。話が難しいのでは無くて、主人公の気持ちが理解できて、あえてコトバに落とさなくてもいいかなぁと思うから。好きで結婚したけれど、頂上は上りきったら下るだけ。夫の浮気で離婚し、数年後に再会。以前よりも燃えるように求め合う。第一章の淡々とした思考や振る舞いに対し、第二章再会後の彼女の内側に現れる嫉妬。『エロスって、摩擦から生まれる摩擦熱みたいなものじゃないのかな。不安熱、苛立ち熱』そして嫉妬からくる嫉妬熱。途中途中に出てくる夢が現実をより官能的にさせて美しい。性とは生だなと思わせる作品。
2020/12/22
hiromura
久しぶりの高樹のぶ子さん。某所にてリサイクル本ゲット。なかなか難解な性についてのお話、どうにか読了。
2022/10/12
turtle
一組の男女の数十年に渡る不思議な繋がり方。 抑え目な感じがなんとも言えません。
2014/04/26
チェス
何だかとっても息苦しい読書。 図書館本。
2019/02/23
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