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折鶴 (文春文庫 あ 13-5)

折鶴 (文春文庫 あ 13-5)

折鶴 (文春文庫 あ 13-5)

作家
泡坂妻夫
出版社
文藝春秋
発売日
1991-01-01
ISBN
9784167378059
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折鶴 (文春文庫 あ 13-5) / 感想・レビュー

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キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言

なんと20年ほど積んで、このほど陽の目を見ました(泡坂さん、ごめんなさい(>_<))でも良い作品は腐らないから…言い訳。昭和の職人と旅のミステリー恋愛小説集。本当にミステリーなのは人の心。泉鏡花賞受賞作。

2015/04/24

Tetchy

純文学の香気に酔わせて頂きました。しかも日本の伝統工芸の職人の世界を基に繰広げられる恋愛物語ということで日本情緒溢れる芳醇さが堪らなかった。それぞれの4作品に通底するのは、登場人物達の頑なまでのストイックさ。奔放な登場人物など1人としていず、それがまたぷんぷんと市井の暖かみを行間から立ち上がらせてくるのだ。正に“職人”泡坂妻夫が丹念に織り込んだ短編集と云えるだろう。

2009/02/01

73番目の密室

中篇2編短篇2編、衰退して行く伝統職人の世界に漂う枯淡の情味を、男女の機微を交えミステリの技法を駆使して紡ぎ出す泡坂妻夫中期の趣向。著者にしか成し得ないこの筆致こそ失われた職人業というべきだろう。当時の直木賞選考委員は『折鶴』『忍火山恋唄』を「ミステリだから」という理由で落選させたらしいが、そのミステリ仕掛けが作品の文学性を一層引き出す効果を担っているというのに何が不満だったのだろうか…しかし落選の結果受賞作『蔭桔梗』が書かれ泡坂職人サーガが完成を見たのだから、皮肉な話ではある。個人的ベストは『駈落』

2016/07/04

あかつや

短編4編。どれも職人の世界の話。まずなんといっても表題作がよかった。箔縫職人の田毎はある日協会のパーティに参加して若かりし頃婚約までいった元恋人の鶴子と再会する。時代とともにやり方が変わって淘汰されていくのはどの世界でもあることだろうけど、職人さんも大変だよなあと途中まではまあその程度の感想だったんだけど、ラストでああだから「折鶴」なのかと感嘆してから自分の中の評価がぴょこんと何段かアップした。これはよく出来てる。あとは「忍火山恋唄」もよかった。新内語りにのめり込んで家族も財産も捨てた男の話。物悲しいぜ。

2022/05/10

Ayah Book

伝統職人を主人公にした短編集。泡坂妻夫さんというとやはりミステリを期待してしまうが、この本はどちらかと言うと恋愛もの、文芸ものと言ったほうがいいかもしれない。とても叙情的で、ラストにミステリ要素が光る。

2018/05/08

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