砂のアラベスク (文春文庫 あ 13-8)
砂のアラベスク (文春文庫 あ 13-8) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
4つの作品収録の短編集。ミステリー要素があるものも。表題作がよかった。 砂のアラベスク/ソンブラの愛/夜の人形/裸の真波
2017/12/24
とち
泡坂氏ということで推理小説だと勝手に思っていたのですが全4編の恋愛小説でした。夫のある女性との恋、尊敬のあまり同じ性別の人を愛してしまった女性、商売敵同士の息子・娘として生まれた二人と、どの話も禁じられた愛、報われない愛が描かれています。どれもハッピーエンド的な話では無いですが、ドロドロとした感じでは無いので、内容の割にあっさり目な読後感でした。 恋愛物でありながらトリックの要素が盛り込まれていたりして、泡坂氏らしさも感じられる一冊でした。
2011/11/06
Tetchy
求めていたのが違った。泡坂には、こんな浅薄な恋愛物語を描いて欲しくなかった。一筋縄ではいかない恋もある。外国や都会を舞台にそんな物語を示したかったのだろう。しかしその一点に拘泥するあまり、物語を構成する人物たちに血が通っていない。ただ唯一、最後の一編「裸の真波」は「ゆきなだれ」や「蔭桔梗」に通ずる味があり、静かな春の温かみを感じさせる余韻を残してくれた。
2009/03/25
お笑いループシュート
異国情緒と恋愛の機微を描いた短編集。 江戸川乱歩と泡坂妻夫の関連性を書いた山前譲の巻末の解説も必読。
2021/09/14
ペペロニ
恋愛小説にミステリーの風味が効いた短編集。どれも軽く読めるけど、ひねりのあるオチが用意されていて面白かった。恋愛という面では、一筋縄ではいかない恋を扱ってストーリーに緊張感を加えた。ミステリーの面では、見えていたものがひっくり返る様な仕掛けがあった。
2014/09/06
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