いつか聴いた歌 (文春文庫 わ 2-3)
いつか聴いた歌 (文春文庫 わ 2-3) / 感想・レビュー
tjZero
ルイ・アームストロングにフランク・シナトラ、ビートルズにサイモン&ガーファンクルまで…米英で長く歌い継がれてきた100曲のスタンダードを綴ったエッセイ集。作詞・作曲・編曲家。曲の成り立ちや詞の背景。他にどんな歌い手が歌っているか。どのミュージカルや映画で使われたのか。…といった多彩な紹介がテンポ、リズムよくまとめられている。ひとつひとつのエッセイがスタンダード・ナンバーのような親しみやすさ。著者自身の手によるポートレイト(似顔絵)も絶品。
2021/02/15
Penn
“Begin the Begin”で始まり“The Song is Ended”で終わる、洒落た構成で100曲を紹介する作品。映画や音楽を愛する筆者の、徹頭徹尾ファンとしての目線がいい。「どんな傾向の歌であろうと、人々に愛され、歌い継がれていれば、ポピュラーとかジャズとかいったジャンルを超えて、スタンダードとなって残るわけで、それには一つの歌が幾人もの歌手によって歌われることが必要だ」と語るとおり、ミュージカルや映画等の挿入歌として生まれた楽曲が多いが、出自を超えた命が吹き込まれ、今に残る過程は感動的だ。
2014/09/28
Tsunekazu Ito
和田誠のイラストと軽妙な紹介でスタンダード・ナンバーのあれこれを読むことができるエッセイ。日本では歌と歌い手がセットで捉えられて、たとえヒットしても「◯年の誰々のナンバー」という括りに収められている。一方アメリカでは、ジャンルや世代の異なるアーティスが歌い継ぎ、歌を育て、世代を超えて共有できるナンバーを生み出す。ヒットソングが必ずしもスタンダードナンバーとイコールではないんだなと思わせられた。気楽に手にとった本だったけれど、歌を通じて日本とアメリカの文化の違いを感じることができて面白かった。
2013/07/16
いちはじめ
スタンダードナンバーの数々を紹介するエッセイ集。いかにも楽しそうな和田誠の語り口と造詣の深さが光る好著。
2000/06/19
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