古本屋探偵登場 (文春文庫 (394‐1))
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古本屋探偵登場 (文春文庫 (394‐1)) / 感想・レビュー
マカロニ マカロン
個人の感想です:B。図書館から『古本食堂・新装開店』(原田ひ香)が回って来て慌てて読んだ。本書は単行本が1982年と40余年前なので、神保町も今とは様相を異にする点はあるが、現在も世界随一の古書店街であることは変わらない。本書の古書マニアの「書痴」ぶりは際立っており、「本探しの極意は熱意ではない、殺意だと思う」という言葉は特に後半の『書鬼』で遺憾なく発揮されている。また本作が書かれた頃はまだ戦争体験者が社会で主導権を握っている時代でもあった。なお今ではアカン表現や行為も出てくるが、これも時代性と言うことで
2024/08/01
那由多
ブックオフにてタイトル買い。古書に纏わる小説としては『せどり男爵』『淋しい狩人』『森崎書店』『ビブリア』辺りを思い出すが、本書に近いのは『ビブリア』ですね。書痴の狂気の沙汰は、ビブリアを超えてます。主人公に華が無いのが残念、ストーリーと文体は好みでした。2話目の「書鬼」の半狂乱ぶりは凄まじかった。
2018/02/09
S.Mori
古本を主題にした2つのミステリを収録。「殺意の収集」は稀覯本が図書館から消えてしまい、探偵役の古本屋の主人がそれを探します。真相には意外性があり、ミステリとしての読みごたえは十分。アリバイ崩しの妙味もあります。「書鬼」は強烈な印象を残す作品です。古書に憑りつかれ、本のために全てを犠牲にする男の数奇な人生が描かれています。明治から昭和にかけての複雑な人間模様が描かれ、探偵役のロマンスもさりげなく挿入された密度の濃い作品。「書鬼」が集めた本が総崩れになる最後の場面には、鬼気迫るものを感じました。
2020/06/28
coco夏ko10角
ブックオフで見つけてタイトル買いした一冊。神田神保町が舞台で、古書店特有の本がむわっとした臭いが伝わってくる。ビブリオマニアの意味の一つ・書物淫乱症でちょっと吹いた。す、すごい言葉だ。
2013/09/22
やまゆ
文章の古さはしょうがないとして、ビブリオマニアの熱い思いは古くはならないだろうな。意外とレファレンスブックの使い方もわかりました。
2015/04/17
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