無憂華夫人 (文春文庫 き 4-6)
無憂華夫人 (文春文庫 き 4-6) / 感想・レビュー
あつひめ
九條武子さんがモデルだそうだ。これが時代の流れに生きると言うことなのですね。自分の人生を思うがままに切り開くなんてあの時代には許されないことであり、やはりできないことだったのかも。はじめの方の会話があまりにも棒読みの台詞のようで、なんだか心のこもらない二人だなぁ…なんて思ったけど、破談になり、義理の姉が張っちゃ気になって縁談を進め始めたら、魂が宿ったように口からこぼれるどんな言葉にも感情が溢れていた。あっけないラストは否めないけど、パチンとライトの消えた状態が絢子には似合っていたかも。
2014/08/22
メタボン
☆☆☆☆☆ いわゆる通俗小説と言って良い内容ながらも、絢子の手紙の美しい文章など、ほれぼれとする部分もあり、長く読みつがれるべき名作だと思う。一気に読了した。維新の遺恨により、断絶した松平の藩同士の故に、旧家来達の猛反対により、結婚が破談となった絢子と康貞の悲恋・純愛が切なすぎる。そしてその二人の存在により、普通の結婚生活を送ることが出来なかった芳徳もまた悲劇の犠牲者だった。この種の小説を書かせると菊池寛は上手いなと唸ってしまう。
2023/04/08
カピバラ
九条武子をモデルにした悲恋の話。絢子と結婚した芳徳が一番犠牲者だ。彼が願ってなったとしても仮面夫婦はつらいなぁ。純愛は大切だけど、地に足が着いた恋愛・結婚をすべきだったと思う。そういう点で、絢子も康貞も子どもよね。
2015/08/07
たけはる
やはり少し昔の時代のノーブルな話が読みたくて。途中まで「主人公ふたりの純愛はどうなる!?」とワクワクしながら読んでいたら、いきなり尻切れトンボな結末で「えー!」と叫んでしまった。まあ実在の人物をモデルにしているらしいので、しょうがないと言えばしょうがないか……。
2023/05/14
kanako
かなわない想いが切なすぎる。。今の時代感覚から言えばもどかしいばかり。それでも、心から愛しているといえる人に出会えたのは幸せであったのだと思いたい。
2011/03/07
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