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昭和16年夏の敗戦 (文春文庫 431-1)

昭和16年夏の敗戦 (文春文庫 431-1)

昭和16年夏の敗戦 (文春文庫 431-1)

作家
猪瀬直樹
出版社
文藝春秋
発売日
1986-08-01
ISBN
9784167431013
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昭和16年夏の敗戦 (文春文庫 431-1) / 感想・レビュー

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AICHAN

図書館本。昭和16年、当時の日本の優秀な人材が集められて模擬内閣を作りシミュレーションを行った。その構成は文官22名、武官5名、7名はジャーナリストを含めた民間人だった(うち陸軍武官2名は途中で転属。陸軍はこの研究を軽視していた)。このままでは米国と戦争になることは確実で、戦争になれば必敗するという結論を得た。物資統計数字を見れば対米英戦争が無謀なのは誰の目にも明らかだったのだ。しかし本物の内閣に無視され、日本は真珠湾へと突入する。開戦を回避できたかもしれなかったのに残念。過ちを繰り返してはならない。

2016/07/13

nobody

権力=体制は虚妄である。保守派は国益という言葉が好きだがそれを一丸となって追求する国家機関はないのである。この国では派閥は機能に先立つ。支配層は一致団結して原理的可能性を追求し国益を実現してくれるものと国民は信じ込まされて仕役しているが派閥に分裂対立し現実的可能性に流されると正道を損なうというのは子供でも判る理屈なのに彼らは判らない。近衛も東条も天皇も開戦を避けよと言う。ではそれを倒したのは誰か。統帥部に決まっているのだが皆なぜかモゴモゴと口籠る。そして新聞だ国民だの一億総懺悔のお決まりパターン。なるほど

2019/12/29

すいへい

敗けると分かっていた戦争になぜ突き進んだか。学生時代に読んだが、未だに記憶にある。私的には名著だと思うが、文春文庫は絶版っぽい。最近、新版が出たみたい。

nizi

改めて読むと、総力戦研究所の実体が思ったより掘り下げられていない、何故か東條英機に割く頁が多いなどの不満があるが、やはり猪瀬直樹のベストワークだろう(個人的にミカドの肖像より上)。なんと言ってもタイトルがいい。蝉の声が聞こえてくるようだ。

2024/06/03

かめあい

気になっていた総力戦研究所について学べた。負けるとわかっていた戦争。時代の流れにはどんなに抗っても逆らえないのかな。勝った国の都合よく歴史が描かれる。東京裁判のくだりは目を覆いたくなる。一番心に残ったのは東條英機。天皇陛下の期待に沿うように戦争を避けようとしていたことは知らなかった。不器用だが真っ直ぐで、天皇陛下を最期まで守り通した。私は戦犯とは言いたくない。

2017/05/20

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