KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

唱歌誕生: ふるさとを創った男 (文春文庫 い 17-5)

唱歌誕生: ふるさとを創った男 (文春文庫 い 17-5)

唱歌誕生: ふるさとを創った男 (文春文庫 い 17-5)

作家
猪瀬直樹
出版社
文藝春秋
発売日
1994-05-01
ISBN
9784167431051
amazonで購入する

唱歌誕生: ふるさとを創った男 (文春文庫 い 17-5) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

エドワード

引き続き明治。今尚私たちを惹きつける唱歌「故郷」の作者、長野県出身の高野辰之と鳥取県出身の岡村貞一の足跡を追う。文部省により、国民国家日本の国語力強化の目的を担って作られた唱歌。そこには、江戸の分権社会から、明治の中央集権国家への道のりが見えて来る。<志を果たして何時の日にか帰らん>故郷を離れて立身出世する、それが何よりの成功という価値観は今も健在だ。詩人を夢見た高野、声楽家を夢見た岡村。<夢は今もめぐりて忘れ難き故郷>故郷とは、若い日の夢が行き先を失い封印されている場所のことだ、という文章が印象に残る。

2015/12/25

さっと

島崎藤村『破戒』のモデルとなった信州の蓮華寺にゆかりのある人々と、今日まで歌い継がれる唱歌「故郷」「紅葉」などをつくった作者のつながりから、維新後の近代国家としてのあゆみと「唱歌誕生」の背景を辿るノンフィクション。耳なじみのある唱歌をつくりあげた高野辰之・岡村貞一コンビの交わりは一瞬で、タイトルからそこらへんがメインと思っていたので、なんだかなぁ。でも、何気なく絡み合っている登場人物たちがおもしろくて、相変わらずのアプローチのうまさに脱帽です。

2012/05/13

たこらった

ただなんとなく読んだ。下衆の勘繰りだが、武子ってのは大谷光端の愛人だったのかね。まあ、秘書といってんだから秘書だったんだろう。ミス上海にしたってのがハニートラップ要員養成の一環だったようにも思われるが、そんなこたあ根も葉もないわたしの邪推に過ぎないのではある。明治の立身出世と小学唱歌の取り合わせは面白いが、いかんせん話がとっ散らかっている。それもまたよしで読み進めるしかなかった。藤村の『夜明け前』をまた読みたくなった。犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」を口ずさむのもまたよし。

2024/11/13

c3po2006

★★★

2017/06/06

ななっち

「ふるさと」という文部省唱歌をめぐり、作詞・作曲の高野辰之、岡野貞一、また、高野と交錯する寺を舞台として、島崎藤村、西本願寺の門主大谷光瑞の人生が織りなす人生。若き日の夢が沈殿する場としてのふるさと、その相葛藤する歌の趣旨が織り交ざるからこそ、歌詞が染み渡るような気がします。

2011/10/30

感想・レビューをもっと見る