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笑い姫 (文春文庫 み 13-7)

笑い姫 (文春文庫 み 13-7)

笑い姫 (文春文庫 み 13-7)

作家
皆川博子
出版社
文藝春秋
発売日
2000-08-01
ISBN
9784167440077
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笑い姫 (文春文庫 み 13-7) / 感想・レビュー

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佐島楓

江戸時代の長崎、戯作者の暮らし、旅芸人の一座、絢爛豪華に彩られたこれらのディテールにさらに史実が混じる冒険譚。そして思うだに醜悪なある「行為」。このバランスがとても良い。はるか昔はこんな時代だったのかもしれない。現実と幻想が紙一重であったのかもしれない・・・。

2014/07/10

かさお

時は天保、戯作で生業を立てる蘭之助はオランダ、イギリス、フランスの言葉を解せる才を持ちながら、出世に興味を持たない気まま暮らし。しかし、赦免船より戻った幼馴染との再会、軽業師小ぎん一座との出会いが、否応無しに蘭之助を動乱の渦に巻き込んでいく…文章がリズミカルで粋でいなせ。アッという間に物語の世界に惹き込まれた。劇中作の「笑い姫」が現実とリンクし、小気味良い。当時、本当にこんな事があったのかな。蘭の助の男気が魅力的。当時の歴史や世相、ワクワクの冒険、恋愛、全て入ってて面白かった

2023/09/24

はちてん

痛快時代活劇。随所に挿入される主人公蘭之助の戯作「笑い姫」が読み応えあり。登場人物が活写されている、特に玉本小ぎん一座の面々は体臭が匂い立つようだ。全体に史実を下敷きに進む展開は面白くはあるが、皆川博子にしては毒が薄いような。童を拐かし人体改造を施して、泣いていても笑っている姫にして異国へ売り飛ばす。「火者」と書いてホゼと読む、宦官のことらしい。あの渋川春海の子孫が登場する。文庫版のカバー絵がいい。

2014/05/14

びっぐすとん

皆川先生。流石です。読み始めたら一気です。どうして皆川さんの描く江戸の人はこんなにも生生しく生きてる感じがするのだろう。粋で徒で艶っぽくて他の時代小説とはセリフの生々しさが全く違う。格が違うのだ。他の時代小説でもお目にかからない豊かで極上の言葉選び。そして怪奇と戯作と幕末の混乱。長崎の異国情緒。そしてはるか小笠原諸島!解説の岩井志麻子さんもいい!TVで拝見する言動とは全く違う優雅で可愛い皆川先生へのラブレター。全く同意。

2023/01/23

九鳥

異形の小説。幕末、口を裂かれた笑い顔の童子の復讐譚を描いた戯作「笑姫」を軸に、出会いと裏切りと謀略の末に日本の果てへと旅する冒険時代小説。物語のまとまりよりも展開の面白さを優先させたとしか思えない、破天荒で縦横無尽なストーリーを破綻なく書き上げた筆力に感嘆。物語の熱量に興奮して一気に読んだ。

2009/04/15

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