退廃姉妹 (文春文庫 し 28-2)
退廃姉妹 (文春文庫 し 28-2) / 感想・レビュー
佐島楓
この題材を女性作家が真正面から書いたら、どうなっていたかという(下世話じゃない)興味はある。
2018/05/07
shizuka
なんだかんだあって、自宅を米兵の慰安所にすることになった姉妹。そこにいるのは先輩女郎のお春と姉妹の父親と懇ろになりながらも、慰安施設に売り飛ばされた祥子の計4人。湿っぽくなりがちな話、だけど全然湿っぽくない!寧ろ爽やか。「日本は占領されたけど、米兵の心を占領してやるんです」の心意気。かっこいいね。全てのパンパンがそうだったとは思わないけど、こうやってなにくそ〜と生き抜いた女性がいてもおかしくない、そう感じさせるこの視点。またひとつ賢くなりました。で、エピローグ。惑わされたのは私だけじゃない、と信じたい。
2016/09/27
も
戦後間もなく父の逮捕によりたったふたり残された姉妹。生きるために選んだ道は、自宅を慰安所にすることだった。慎重で一途な姉、有希子と好奇心旺盛な妹、久美子。対照的な姉妹だけれど、いつでもしっかり繋がっている。急に語り手が変わったり、文体が変わったり、不思議な作りではあったけど、最後までハラハラしながら読めました。
2016/08/13
こばまり
激動の時代の様々な苦悩が描かれているはずなのに、あまりにもサクサクトントン読めてしまい不気味な読後感。明治から大正に掛けての小説の人物描写に似ている。一方で「開局◯周年記念特番」と冠した地上波の大型ドラマも彷彿とさせる。狙ってのことか。
2022/08/01
ふみ
肉体の門を思いつつ←読んでないけど。なんて 血肉の通わない話なんだ!? 軽く酩酊して読了しましたが、ここには生きている人間が一人もいない。にも関わらず なんなの?この世の空気感は? 作者のロマンチストぶりと政治的立ち位置が気になる。
2015/02/21
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