あたしが帰る家 (文春文庫 む 4-7)
あたしが帰る家 (文春文庫 む 4-7) / 感想・レビュー
めろんラブ
先日、子だくさん男性タレントNがTVで「僕はねぇ、子供って親を選んで生まれてくると思うんですよぉ」と目を潤ませながら語っていた。はぁ?スピリチュアルか?どうしようもないダメ親は確実にいる。そんな親の死を心底願う子供達。そう望まざるをえない悲惨な生活は、彼ら自身が選びようのない現実だ。さて、こちらは過酷な家庭環境に日々歯噛みする「私」が主役。意外なことに、暗さのない笑える話のオンパレード。吹き出し注意!「私」に前述のNの言葉を聞かせたら、涼しい顔で受け流すかも。理不尽な扱いに慣れすぎているから。
2010/08/31
mint-s
子どもの目から見た様々なエピソード。ご近所の噂話や夫婦喧嘩など…。自分にも同じような覚えがあるなぁと思う事もチラホラ。子どもって結構、冷静で残酷(((^^;)
2016/06/28
Yu。
一家の大黒柱が留守中の時こそ我が家の至福の時…というように自堕落な父親のダメさ加減を本気で呪う幼き長女に芽吹く黒き炎…だがその炎が強まれば強まるほど皮肉にも口角を緩ませる結果を生み出すという悲劇を喜劇に読ませる家族奮闘劇。おもしろい!!とても苦く切ない話なのだが、それを中和させてしまう長女や母親の戦闘力にあっぱれ!。またこのドタバタさに見合う昭和30年代という時代背景がとてもいい。
2016/01/20
あつひめ
懐かしい時代へタイムスリップしたような気がした。昭和時代の三種の神器。我が家には無かったなぁ~・・・昭和50年代になってからかも・・・。いつの時代もダメ父っているみたい。昔のダメ父と今のダメ父・・・似ているようで似ていない。だけど憎めない。夫婦間は子供にはわからない絆がナンダカンダ言ってもあるんだなぁ。無邪気な子供が時には悪魔に変身する事もあった時代。読みながら自分の記憶の中の出来事が少しずつ表面化してきた。読書ってやっぱりおもしろい。知らない世界を知ることができたり忘れていた事を思い出すことができる。
2010/08/20
ゆのん
昭和30年代、家にお金は入れないは、子供の貯金箱からお金を持ってくは、そのくせ運転免許もないのに車は買うし自分のおしゃれはするというとんでもない父親。主人公はそんな父親の小学生の娘。小学生ながらに父親の「殺人計画」をたてたり「二号さん」について探ったりとおかしくて笑っちゃうけど子供の悪気の無い無邪気さが少し怖い。群さん御本人の家族とよく似ているし、実際のエッセイでのエピソードなども感じれて面白かった。群さんの体験って小説に出来ちゃう位のスゴイものなんだなって改めて思った。
2017/09/29
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