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約束された場所で (underground2)

約束された場所で (underground2)

約束された場所で (underground2)

作家
村上春樹
出版社
文藝春秋
発売日
2001-07-01
ISBN
9784167502041
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約束された場所で (underground2) / 感想・レビュー

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ハイク

オーム真理教信者インタビュー本を読んだ。「アンダーグラウンド」で地下鉄サリン事件の殺人者達のインタビューについての本は重すぎるので二弾目のこの本を読んだ。男女8人のインタビュー、河合隼雄氏との対談を2回そしてあとがきとの構成である。読み終わると良く練られた構成でる。オーム真理教とは何だったのか?また8人の信者のインタビューも色々な人がいる。対談で入信者の多くは友達がいない人が多いとの指摘があった。青春時代を孤独で何かしら物足りない人達がオカルト宗教に入るのに納得する。やはり家庭環境や友達が大切である。

2015/10/26

ムッネニーク

52冊目『約束された場所で underground 2』(村上春樹 著、2001年7月、文藝春秋) 『アンダーグラウンド』(村上春樹 著、1997年3月、講談社)の続編であり、なおかつそれと対をなすノンフィクション。地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューをまとめた前作に対し、本作はオウム真理教の信者/元信者へのインタビューをまとめたものとなっている。 宗教の善悪について考えるきっかけとなる一冊。 巻末には心理学者・河合隼雄との対談が収録。 「世界というのはそれぞれの目に映ったもののことではないかと」

2023/05/20

あきぽん

1998年刊、オウム真理教信者・元信者へのインタビューおよび河合隼雄との対談を収めた本。信者の話は違和感や気持ちの悪さを感じたが、彼らは出家するほどに現世に違和感や気持ちの悪さを感じていたのだろう。純粋で真面目すぎたのだ。結局あの事件は何だったのだろう、という私の疑問は、村上春樹×河合隼雄の対談によってかなり納得のいく答えを得た。当時は私も報道をある意味「面白がって」いたが、生きるということの根源的な意味も示唆する事件だ。13人死刑執行によって終結したけど、若い人や後世に語り継いでほしい。

2018/08/21

nobi

地下鉄サリン事件の被害者には極力聞き手に徹していたのとは対照的に、オウム真理教(元)信者へのインタビューでは、時に苛立ちが見え問い糺す。然るべきコモンセンスをぶつける。作家村上春樹というより、素になった村上春樹を見るよう。「いつもなにか満たされていない」若者達は、オウム真理教の世界に光明を見出し、同じような仲間達との生活に充実感を感じる。そうした中エリートが実行犯に指名される。この事件を深刻に受け止めていないような発言も多いが、普段から教団の為す事がおかしいと感じる信者もいたということに少し救われる思い。

2024/07/03

chantal(シャンタール)

地下鉄サリン事件の被害者へのインタビュー集「アンダーグラウンド」の続編であるこの本は、加害者側であるオウム真理教の信者や元信者へのインタビューで構成されている。信者一人一人は恐らくみんな悪い人じゃない。物事を深く考えてこんでしまい、なんとなく社会に馴染めなくて、まじめに仏教を研究したい、そんな人たちの集まりだったはずなのに、なぜ教団はあんな凄惨な事件を起こしてしまったのか?明確な答えは出せないだろう。後半の河合隼雄さんとの対談もとても良かった。「悪」と一括りにできない物に対する考察にとても共感できた。

2018/11/28

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