やややのはなし (文春文庫 よ 10-3)
やややのはなし (文春文庫 よ 10-3) / 感想・レビュー
佐島楓
エッセイ集。淳之介さんらしい色気やダンディズムももちろん感じられるのだが、突き放したような作家のまなざしも時折顔をのぞかせる。欝やさまざまな病気に悩んでいらしたのは知っていたけれど、もう少し節制していただきたかった・・・というのが本音である。
2013/02/06
5〇5
本書を手にしたきっかけは新聞のコラムの一文から(詳細はコメント欄へ) ♦本のタイトルから「ゲゲゲの…」とか「れれれの…」をイメージしていたが全く違うものだった ♣「えぇー」的な驚きである「ややや」を含む小粋なエッセイ集だ ♥「平成」の最後に「昭和」のダンディズムを懐かしんだ次第である ♠あと、こんな言葉も頭に浮かんだ「七五三 二つ足したら 五七五」。
2019/04/21
Maumim
初めて読む吉行淳之介。 まさか、ここで彼の著作に出くわすとは思わなかった。 「読む本がなくなった」「小説かエッセーを」のリクエストに持ってきてもらったいくつかのうちの1冊。 「それが十個もあれば、物々交換によって一ヶ月は食いつなぐことも不可能でなかったろう。」 LUXの石鹸の話。 そんな戦後の話は、まるで異国の話を聞くような。 自分の知らない昭和の話がおもしろい。
2015/06/15
のん
モテそうな男だなぁ。知的で繊細かつ豪快。そして色っぽさもある。もてますよねぇと。
読書三餘
1982から1991年、病身を労りながらの晩年、過ぎし日や亡き文士への感慨が筆をおもむろに走らせる。ざっと目次をふりかえって心に残ったのは『CRANKについて』『「厄年」の頃のこと』。車の修理係にあてられた小僧が、苛まれる病気の克服をする男となっており、これだけみても、長きを生きねば書けない時空の差が感じられる。もっとも注目すべきは、官能という点で通じよう川端康成の解説文。何度も再読しなければならない文章と思える。
2024/03/04
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