LAコンフィデンシャル 上 (文春文庫 エ 4-2)
LAコンフィデンシャル 上 (文春文庫 エ 4-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
時は1950年代の前半。山の手には虚構と幻想の都、ハリウッドが。そして郊外のアナハイムには今まさに夢の街ディズニーランドが建設されようとしていた。そして、幻の巷ならぬ、ここはLAのダウンタウン。暴力とドラッグと、ありとあらゆるこの世の不正が渦巻いている。本書は4部作シリーズの第3作目であるらしい。エルロイは初読なので知らずに読み始めたのだが、私のような読者はいきなり混沌の中に投げ出されることになる。これはこうしたクライムノベルだとは諒解しつつも、これについていくのは容易ではない。⇒コメントに続く
2017/07/04
W-G
エルロイ作品の中で、なんだかんだいいながらも『LAコンフィデンシャル』が不動の個人的ベスト。中身としては、先の二作よりもぐっと陰謀小説よりになり、事件を解決するだけのミステリの枠を越え始めている。そんなことよりも主人公三名が全員好きすぎて、特にエクスリーのコンプレックス満載な屈折エリートぶりに妙に心惹かれる。登場人物の多さやプロットの複雑さもピークに達して、これを知ると他では満足しにくくなる。何度も読んでいるのに『ビッグ・ノーウェア』のテリー・ラックスが出ていることに今回ようやく気づいた。
2023/08/14
扉のこちら側
2016年777冊め。【212-1/G1000】『ビッグ・ノーウェア』からだいぶ間をおいて着手したが、冒頭で前作の顛末が描かれるなかなかの幕開けである。複雑に絡み合う事件と、人、妄執。みんな腹に一物抱えていて黒い。作中時間は結構長いようだ。ところでシリーズ各作品で役者は違うのだな。下巻へ。
2016/10/01
ゆいまある
よ、読みにくい。エルロイってこんなに読みにくかったっけ。最初の150ページは頭に入らなくて、何度も読み返して時間がかった。固有名詞が凄い勢いで出てくるので誰が誰かすぐ分からなくなる。エド、バド、ジャックの3人に注意しながら読み進む。それもいろんな呼び方があるから気をつけて。やがて流れが見えてくるけど、ホモフォビアの白人男性が黒人をやたら殺す話で結構酷い。ブラックダリアをまた読んでる気分。今の所エルロイぽい切なさは薄くて、それぞれが幸せを手にしかかってるところ。残酷になると予測して下巻へ。
2020/08/09
NAO
登場するロサンゼルス市警の三人の警官たちは、三人三様のなんともすさまじいばかりの過去を背負っている。そして、冒頭で起きるクリスマスの事件も、目を疑いたくなるようなものだ。出世欲。暴力。歪んだ使命感。アメリカの闇の深さ。
2019/03/07
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