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LAコンフィデンシャル 下 (文春文庫 エ 4-3)

LAコンフィデンシャル 下 (文春文庫 エ 4-3)

LAコンフィデンシャル 下 (文春文庫 エ 4-3)

作家
ジェイムズ・エルロイ
James Ellroy
小林宏明
出版社
文藝春秋
発売日
1997-11-07
ISBN
9784167527402
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LAコンフィデンシャル 下 (文春文庫 エ 4-3) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

熱烈なエルロイ応援団の存在は予想外のこと。まして、それが私の読友の中に複数存在するなんて。この方たちのエルロイを分かって欲しいという熱い思いに現段階ではお応えすることができなかった。しかし、観念が先行することなく、細部を綿密に積み上げていくことで生まれてくるリアリティに圧倒されること。また末尾の1行にはフローベールの『ボヴァリー夫人』のような達観が見られることなど、本書が一見したところとは違って、実は小説の王道を形成していることが読者を惹き付けてやまないのだろうと思う。読後の悲哀感とやるせなさには確かに⇒

2017/07/05

W-G

一読しただけでは事件のアウトラインを完全に把握するのは不可能に思えるほどの難解さと関係者の多さ。しかしこれが癖になる。少しばかり主人公三名の周辺に真相を寄せすぎている感もあるが、この作品に関してはそれも良いところで、終盤に三人がようやく一堂に介し、それぞれ持つ断片が化学反応を起こすようにつなぎ合わさっていく快感が最高。ジャックがカレンの手紙を読んで生き返る場面も最高。嫌い合っていたエドとバドの行く末も最高。リンの選択も最高で、唯一、イネスだけが何を考えているのか最後までよくわからなかった。

2023/08/17

扉のこちら側

2016年778冊め。【212-2/G1000】血まみれの解決編。長年に渡るいくつもの謎が、一つの解答へ集約されていく見事な結末。しかし、あまりにも傷ついた人は多い。どうしてもドラッグと性暴力を避けられないシリーズだが、今回はポルノが絡むあたりでくり返しき出てきてげんなりする。死体がなんらかの形で損壊されるのも作者の特徴か。

2016/10/01

NAO

心の底に暗い部分をかかえた三人は、激しく反発し合いながらも三様のやり方で事件に取り組んでいったが、彼らの向かうところは、実は同じところだった。巨悪の根源はかなり早い時点で予想ができてしまったが、三人が最後には理解し合えたのがまあ、よかったというところだろうか。結局、輝かしい経歴だけに支えられている人間ほど、実は正しく生きることの大切さが理解できていないということなのか。自分に忌まわしい過去があるものの方が正しい世界の必要性がより強く実感できるのかもしれない。

2019/03/08

藤月はな(灯れ松明の火)

自分の目の前で母を父に殴り殺されてから女性には優しく、女性を貶める輩は徹底的に痛めつけるバド、偉大な刑事であり、建設業に天下って政治界を目指す父にコンプレックスを持つエド、メディアに極秘情報を垂れ流すヴィンセンズ。この三人の中で一番、トラウマ持ちでなかったヴィンセンズは愛を知って破滅したというのはなんという皮肉か。そして女のイディアに縛られるがため、相手の女を互いに寝盗り合う程、憎悪していたバドとエドは捜査ではいいコンビだった。エリートだったエドの成長ぶりとバドとの共闘結成が爽やかなので確かに映画向きです

2015/12/29

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