夢奇譚 (文春文庫 シ 9-1)
夢奇譚 (文春文庫 シ 9-1) / 感想・レビュー
REI
非日常を求めて大胆になったり、臆病であったり、色鮮やかな世界に踏み込んだり、灰色の現実に引き戻されたり。妻への嫉妬、裏切り、駆け引き。そして静かに朝を迎える。映画化されそうな物語だなと思ったら、やっぱり映画化されているみたい。映像も観てみたいな。
2017/11/10
tipsy
映画「2001年宇宙の旅」を改めて観ようとキューブリック作品を検索していた所、遺作のアイズワイドシャットを最高傑作だと言っていたという事を知り原典を。夢奇譚の他に夢小説と訳されているように夢の中の無意識の欲望のような世界。いや、これは全て夢なのか?ある意味病的だがドラマティックにさえ思える瞬間も。この意識の流れ的世界をどう映画で表現しているのか、まだ観ていないので楽しみでもある。シュニッツラーはフロイトに「わが精神のドッペルゲンガー」と言われている。フロイトの夢判断も読んでいないのでこれを機に読みたい。
2016/01/16
miroku
結局、「あれ」は何だったのか、何が起こったのかは・・・不明のまま・・・。う~ん・・・。
2010/10/04
あお
面白かった!夫婦で参加した仮面舞踏会に帰宅した後、お互いの告白により、主人公フリードリーンは妻に一方的な疑惑の目を向け始める。不安と怒りの日々の中で、主人公がいかにも妖しく危険な夜会に参加したり、夜会の美女の行方や黒幕の実体に迫ったりするシーンの連続は、現実と夢との区別があやふやになってゆく心境に読者を陥れる。荘子の胡蝶の夢を連想したのは私だけではないだろう。「勇気はあるか?」友人が主人公にかけるこの台詞に強いメッセージ性を感じずにはいられない。ラストの解釈に自信がないので再読の余地あり。
2015/10/07
たびねこ
クリムトやシーレの描く退廃と耽美の世界。夢と現実が交錯した混沌の際から生還する医師夫婦の1世紀も前の物語は、現代よりも現代的な気さえする。
2017/05/26
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