七人の安倍晴明 (文春文庫 ゆ 2-6)
七人の安倍晴明 (文春文庫 ゆ 2-6) / 感想・レビュー
mocha
執筆陣の豪華さにわくわく。高橋克彦『視鬼』の老成した晴明の安定感もいいけど加門七海『晴明。』のとんがった若さもいい。夢枕獏『下衆法師』ではやっぱり野村萬斎&伊藤英明で脳内再生。田辺聖子の藤原仲平、澁澤龍彦の花山院のエピソードも面白かった。荒俣宏の巡礼団の調査には「へぇー!」がいっぱい。ただ原典の情報がないのが残念。長編からの一部抜粋というスタイルならせめて書名、出版社、発行年を記載してほしい。
2018/08/21
よむよむ
魅惑的なタイトルとお気に入りさんのレビューで手に取りました。安倍晴明のアンソロジーだが、小説だけでなく、紀行、対談と色々な形で晴明の姿を浮き彫りにしている。私は夢枕獏さんの陰陽師のファンなので、やっぱり一番しっくりくるが、高橋克彦さんの老いた晴明や加門七海さんの若い晴明もなかなか魅力的だった。小松和彦さんと内藤正敏さんの対談は政治的背景や古い文献に出てくる晴明の活躍、晴明の使う呪術についても説明がありとても興味深く面白かった。
2018/09/30
tengen
小説、エッセイ、対談なとを織り交ぜた安倍晴明・陰陽師アンソロジー。 「書下ろし」ってどこかで見ましたが、既刊本からの抜粋がほとんどのようです。 バラエティに富んでますが、やっぱり小説が良いですね。 老いた晴明が活躍の高橋克彦作・若く苦悩する清明の加門七海作。 ですが夢枕版晴明がいちばんしっくり来る。 収載作は「下衆法師」、シリーズ2弾「飛天ノ巻」に収められています。☆彡 高橋克彦/田辺聖子/荒俣宏/岡野玲子/加門七海/小松和彦・内藤正敏/澁澤龍彦/夢枕獏
2018/07/30
№9
陰陽師安倍晴明……ナントも不思議なこの音の響き、解説の夢枕獏が言うようにその名前とイメージはもう日本人の文化に定着しひとつのジャンルとなっているかのようだ。昔行った京都で晴明神社に行き、それ以来晴明井戸を携帯のそしてスマホの待受画面にしているが、夢枕獏でしか安倍晴明を知らなかったので、本編を通じて小説だけでない様々な安倍晴明を読めて楽しかった。安倍晴明と源博雅の風雅でおっとりとしたやり取りと呪術を駆使しての物の怪とのおどろおどろした対決が夢枕獏晴明の魅力だが、他の作家の作品でもその魅力は尽きない。
2014/03/12
芍薬
豪華メンバーで稀代の陰陽師を考察する一冊。私はやっぱり澁澤さんが好きです。
2013/11/28
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