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「やられる」セックスはもういらない 性的唯幻論序説 改訂版 (文春文庫 き 14-10)

「やられる」セックスはもういらない 性的唯幻論序説 改訂版 (文春文庫 き 14-10)

「やられる」セックスはもういらない 性的唯幻論序説 改訂版 (文春文庫 き 14-10)

作家
岸田秀
出版社
文藝春秋
発売日
2008-09-03
ISBN
9784167540111
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「やられる」セックスはもういらない 性的唯幻論序説 改訂版 (文春文庫 き 14-10) / 感想・レビュー

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やましん

鈴木涼美「娼婦の本棚」で紹介されていたので購入。ジェンダー論や男女論でもなく、生々し過ぎるほどのセックス論。他の動物と異なり、なぜ人間だけが女から見て「やられる」セックスをするのか精神分析学、生理学、文化・社会学、経済学、宗教論といった観点から説明を試みた本。デュルケームの「自殺論」がその比類無き社会学の古典として評価されるのは、個人的現象と見なされがちな自殺を個人の周りの環境、社会にまで射程を広げて分析を試みた点にあると言えるが本書も「自殺論」に相通ずるものがあると考える。生々しさで尻の座りが悪かった。

2022/09/04

北条ひかり

16時間34分。対面朗読をしてくれた嫁さんに感謝。元修道女にこの本を読んでもらうのは、とても背徳的な気がしたのだが、どういう訳かもの凄い勢いの彼女に圧倒されながら、元神父見習いの私はどんな顔をして聴いていればいいのか、最後までわからなかった。新書版のほうが唯幻論の面白さが伝わりやすいと思う。この改訂版は、私の個人的な見解としては、どうでもよい性的話題をごちゃごちゃと羅列しただけのように思え、議論の筋がぼやけてる気がする。著者の主張の仕方が断定的でないだけに、更にぼやけてる。ぼーっとした本になっている。

2017/01/31

mittii4

セックスのときなぜ女は感じている演技をしなければならないと思うのか、なぜ男は感じさせてると信じ込まなければならないのか。その強迫観念は無駄でいらないものだと思っていた私だが、なぜそんなものがあるのか考えてみたことがなかった。というか考えても全然わからなかった。なぜ男だけが強姦をするのか、という話もとても興味深かった。すべての女性に贈りたい本。男性にも贈りたいけど男性は読んだらキレそう。

圓(まどか)🐦

第1章「すべての人間は不能である」~第13章「性交は趣味である」まで延々と人間の壊れた本能としての「性」の話まみれ、でも面白かった。本の中で使われる大学の生徒のレポートとか経験談、一部の女性作家の小説への解釈は興味深かったし、現実の統計学としてはともかくとして著者の主観によるエッセイとして、時に頷いたり、時に少しページを止めて考え込んだりでした(近親相姦による強姦の話はさすがにきつかった)。「草食系」という単語はこの本が出た後だけど、その萌芽は十分あったのだなとか。

2017/02/05

ハンギ

改訂版ということで、大幅に書き加えられているみたいで、最初は新書だったものが分厚い文庫になった。表紙は内田春菊だが、内容でも触れられていたり、他にも綿矢りさの話がちょっと出てきたりするが、だいたいにおいて昨今のフェミニズムについてのまとめ的なというか、教科書的な本だと思った。ちょっとオールドファッションで、あまり統計や引用などしないし、主観的だが、この姿勢には共感が持てる。男女の性欲やフェチは本質的にはなんでも有り、というのはなるほどと思った。男女関係を重視して書いているあたり、その辺も少し古いかもです。

2011/06/15

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