ソング・オブ・サンデー (文春文庫 と 11-12)
ソング・オブ・サンデー (文春文庫 と 11-12) / 感想・レビュー
S.Mori
イラストレーターの利里子と大工の鉄治が日曜日にドライブに出かけます。利里子の心に浮かぶのは、これまでの人生のこと。鉄治の「人間は生きていかなければならない」という言葉が心に響きます。鉄治の愛犬の寿命は尽きようとしています。犬は人間より早く歳をとってしまいすが、愛犬が死んだ後も人は生きなければならないからです。利里子が知り合いの男性の心を弄んでしまったことに気づき、恋愛で人を傷つけるのはやめようと思う個所が特に好きでした。恋愛の失敗を学びに変えて、これからも生き続けることが示される結末は感動的です。
2020/07/25
もりの
1日の出来事が書かれているだけなのに、ドラマチックで良かった。とても丁寧に書かれている文章が素敵。この作家さんの違う本も読んでみたい。
2019/03/19
すずりん
40代の男女がお互いの愛犬を連れ一日ドライブする中で現在に至るまでの人生が見えてくる。 人生諦めた感がリアル。
2017/02/09
アキ
男女のドライブの話だが、その二人の間の恋愛が主というわけでもない。だが、それがよい。
2018/11/04
しお
物語の時間経過はドライブの車中での丸一日のみ。内容はそのほぼ全てが主人公の利里子と大工の鉄治との会話と回想シーンで構成されている。何とも視野の狭い不思議な小説である。たとえ小説でも物語はリアルタイムで展開してガンガン進行してくれないと物足りない。いくら回想シーンの出来事がエキサイティングであっても所詮は過去の出来事に過ぎず気持ちが乗ってこない。しかしこんな不満を書きつつも実は結構面白かった。人生の折り返しを過ぎた40歳以上の人が読めば胸中に何かを問いかけられるちょっと心にしみる作品になっている。
2016/05/05
感想・レビューをもっと見る