発言者たち (文春文庫 し 27-5)
発言者たち (文春文庫 し 27-5) / 感想・レビュー
gonta19
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 2013/5/1〜5/2 17年ものの積ん読本。 出版社への手紙、TV局への抗議の電話など、物申したい人々を題材に小説を書こうとしたノンフィクションライターの番匠。取材を進め、小説を書き始めたが、、、 清水さんらしい風刺の効いた連作長編小説。
2013/05/02
背番号10@せばてん。
1997年6月7日読了。単行本の初出は1993年。今から26年前の〈ひとこと言いたい〉人たち。(2019年7月18日入力)
1997/06/07
unknown
新聞投書での論戦を描いた短編「コップの中の論戦」とやや重なる所もある長編。清水氏の人間観察力は遺憾なく発揮されており、お叱りの手紙や抗議電話、個人通信などを通して、己の言いたいことを言いつつ知識や立場を誇示する<発言したがり>な普通の人々を、やたら生々しく描いている。滑稽だけれども全く他人事に思えないところもあり、クスリとしつつも思わず自分の身を振り返ってしまう。中盤からは主人公自身が「ものを書くこと」に対する葛藤に陥る。最後は光明を見い出し前に進んでいくのだけれども、その姿は身につまされる。
2012/07/16
hiroshi0083
本書の主人公、番匠靖之はノンフィクション・ライターである。かつては週刊誌などの記事を外注で書く無名の下請けライターだったが、今は署名入りで書けるようになり、著書も数冊出している。 そろそろ小説も書いてみたいと考えていた彼は「お叱りの手紙」の存在を知る。お叱りの手紙とは、出版された本や雑誌などの誤りをただしながら持論を述べようとする手紙のことだ。要するに訂正の投書である。番匠は、そんな手紙を書く人に興味を持ち始める。(コメントに続く)
2019/01/06
カンパネルラ
淡々とした話だが、非常に面白かった。ある意味スリリングですらあったかもしれない。人の自我と言うか、自己主張の多いなかで、発言する立場とはどういうものかを小説と言う中でうまく考察している。その意味ではこの小説は二重構造になっているような気もする。
2004/08/23
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