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上野介の忠臣蔵 (文春文庫 し 27-7)

上野介の忠臣蔵 (文春文庫 し 27-7)

上野介の忠臣蔵 (文春文庫 し 27-7)

作家
清水義範
出版社
文藝春秋
発売日
2002-10-01
ISBN
9784167551070
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上野介の忠臣蔵 (文春文庫 し 27-7) / 感想・レビュー

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shizuka

吉良上野介、逆恨みで浅野に傷つけられ、自分の仕事を台無しにされたうえ、綱吉の気分でころころかわる幕府の意志に翻弄され、果ては雪の中斬り殺された、ほんとうに可哀想な老人。浅野の浅はかな行動、度量の狭い人間性、全然肩入れすることできない。それよりも一番の元凶は綱吉率いる幕府だったんだね。綱吉が賢い将軍だったら、数百年後ももてはやされるような祭りにはならず済んだはず。それにおめおめのっかってる浅野家もたいがいだ。そろそろ義士祭の季節。私は吉良家を応援する。上野介さんあなたは悪くない!綱吉め〜。責任取りやがれー。

2016/12/11

hrmt

清水作品2作目も面白かったです。世に名高い「忠臣蔵」は主君の敵討ちの話ぐらいにしか知りませんが、それでも吉良上野介は“いけずな爺さん”という徹底的悪役イメージでしっかり刷り込まれています(^_^;)判官贔屓が好まれる風土とはいえ、確かに冷静に吉良側から見ると随分な話だと思えます。いわれてみれば、浪士たちが怒りをぶつけるなら裁定を下した将軍にでしょう(浮気したダンナに怒りをぶつけるんじゃなくて相手の女を憎く思うのにも似てる⁈)。面白がって噂して、勝手に善悪を断じちゃう社会の無責任さは今の世にも通じてますね。

2019/04/25

誰かのプリン

井沢元彦の本「忠臣蔵元禄十五年の反逆」を読んでから吉良側に経って忠臣蔵をみているのですが、本書も吉良側から書かれており、納得する部分も多々ありました。つくづく吉良一族が哀れに思うと共に、幕府の態度が180度変わってしまうのには閉口します。

2019/05/09

TheWho

日本人が、こよなく愛す「忠臣蔵」を敵役である吉良上野介と吉良家の立場から描いた新説忠臣蔵。確か吉良家の領内では、上野介は善政を施いた名君であったとの説が有力で、更に浅野内匠頭は、暗君であったとも聞く。それを下敷きにすれば、本物語も従来の忠臣蔵より、リアルなことかも知れないとも思った。ともかく一風変わった忠臣蔵を興味深く読ませて貰った1冊です。

2022/11/30

たらこりっぷ

久しぶりに再読。ハードカバーの初版が出てすでに十数年。12月になって忠臣蔵が話題になるたびに思い出します。悪人は本当に悪人だったのかどうか。討ち入りは適切な行為だったのかどうか。歴史上の人物や出来事に対する世間一般のやや固定化したイメージの裏付けの弱さを教えてくれます。一方的に同じ方向から物事を見てしまうことの危うさを実感させてくれます。愛知県にあるという上野介の木像、見てみたくなりました。

2014/11/18

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