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自動起床装置 (文春文庫 へ 2-1)

自動起床装置 (文春文庫 へ 2-1)

自動起床装置 (文春文庫 へ 2-1)

作家
辺見庸
出版社
文藝春秋
発売日
1994-09-10
ISBN
9784167564018
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自動起床装置 (文春文庫 へ 2-1) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第105回(1991年)芥川賞。 東京の夜の風景を清冽に描く。起こし屋のバイトをして 働くぼくの視点が 新鮮で面白い …都会に生きる人々の眠りを 「起こす」という視点で 描く。 人生のおかしさと 哀しみが ぼんやりと 読者に伝わる。眠らない街 東京の別の 風景を描いた 不思議な本だった。

2018/02/10

absinthe

寝てる人を起こす仕事、起こし屋の話。ひたすら寝てる人を起こすだけなのかと思い、最後まで読み切れるか不安だったが。面白いエンタメ小説だった。変わったイビキ、寝言、歯ぎしり、呼吸音に寝相に。描写がとにかく面白い。寝るというのは起きているのと同じぐらい大事なのだ。そこにはこんなにも深く広い世界があったのだ。やがて登場する自動起床装置。主人公達は対決する。AIのせいで労働者が要らなくなると心配される昨今だが。こんな昔からそういうテーマが書かれていたとは。

2021/03/31

ヴェネツィア

1991年上半期芥川賞受賞作。まず、何よりも題材と着想が目新しく新鮮だ。眠っている人を希望の時間に起こすという「起こし屋」なるアルバイトが実在したものかどうか定かではないのだが、ともかくそうした仕事に従事する2人の青年を主人公として、彼らの視点で語られてゆく。ここでは「眠り」をその内側からではなく、あくまでも外側からの客観的な観察によって眺め語るのだが、度々語られる樹木と共に「眠り」それ自体が大いなるメタファーであるかのようだ。ただ、表題の「自動起床装置」は小説の上では必ずしも有効に機能していない。

2013/08/30

おいしゃん

【芥川賞作品】仮眠する社員を起こす係だった主人公らが、自動起床装置の導入という、起床の機械化により、取って代わられるさまを描く。機械には真似できない起こし方をプライドをもつ彼らと機械のせめぎ合いが面白かった。

2016/09/03

たぬ

☆4 芥川賞受賞作を読もうシリーズ。聡が言うように睡眠って軽視されがちかもなあ。入眠剤を求める一方で覚醒効果のあるドリンクも売り場には必ずある。自動起床装置って電車の運転士が使ってるらしいあれのことかな?→ハイ正解! でも急病人の発見という点からは起こし屋のほうがいいね。併録の「迷い旅」は敬体なのがもの悲しさをアップさせていたと思う。

2022/07/25

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