東京駅物語 (文春文庫 き 16-7)
東京駅物語 (文春文庫 き 16-7) / 感想・レビュー
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
首都東京の玄関口東京駅。明治、大正、昭和、三つの時代に渡って東京駅を舞台にし、グランドホテル形式で綴られる9つの物語。そこで働く人、旅をする人、日常の足として利用する人、様々な物語がそこで生まれ、消えていく。いったいどれほど多くの人々がそこで出会い、別れ、通り過ぎていくのか。色んな物語を楽しめた一方で、もう少し一本芯になるものがあった方が良かったのではないかと思った。★★★
2018/11/06
まこみん
少し前に読んだ辻村さんの「東京會舘とわたし」を思い出した。(1996年に単行本発行とあるのでこちらの方が古い。)東京駅建設当時の明治35年~関東大震災を経て昭和の終戦直後迄、その時々を生きた人たちが少しずつ交差しながら巡っていく。新しい時代への夢を持った男、駅を造りたい女、歌人に憧れた少女、結婚詐欺師や挫折した男等、東京駅という一つの場を様々な人と人生が行き交う。東京駅と一口に言っても高級感溢れるステーションホテルから三等待合室迄幅広い。読後は現在の復興した東京駅に、又新たな思いで行きたくなった。
2017/07/11
アッシュ姉
明治の建設当時から戦後まで東京駅を舞台に繰り広げられた人間模様を描いた連作短編集。てっきり感動ものだと思い込んでいたので、イメージの違いに戸惑った。時代背景もあるが、なんともやるせない。流されやすいお人好しが多かったなか、詐欺師のしたたかさが印象的だった。
2020/08/11
はつばあば
6年前、独身最後だった娘と待ち合わせた東京駅は工事中だった。去年の東京駅はとても素晴らしかったが、車椅子移動の爺様を置いて土産物買いはあたふたしたものでした。100年も前からある東京駅。人の出会いと別れをいっぱい、いっぱい見続けてきた東京駅は今また綺麗になったが・・何を思っているでしょうね。
2016/04/12
ともくん
大正から、昭和初期にかけての古き良き東京駅を舞台にした連作短編集。 それぞれが、どこかで交わっている男女を描いたもの。 人生のどこかで、東京駅と結ばれ、人生が変わってきた人たち。 それを見守って来た東京駅。 そういうことを考えると、今でも多くの人たちの人生を見守っている東京駅がロマンチックに思えてくる。
2021/04/10
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