逃げ水半次無用帖 (文春文庫 く 17-3)
逃げ水半次無用帖 (文春文庫 く 17-3) / 感想・レビュー
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
追いかけても追いかけても追いつけない、まるで逃げ水のように女たちから逃げる美男の半次。満開の桜の木に縊れて死んだ母、見上げる子ども。過去のトラウマと、母の死の謎。御用聞きの佐助と、その娘の小夜と共に、江戸の町に起こる事件を解く。どの事件に関わる女たちも悲しく切ない。
2017/05/13
tosca
解説・皆川博子という理由だけで選んでしまったが、中盤までは我慢の読書。主人公の半次は美男子で女性が勝手に寄ってくる陰のある男という設定だが、彼の人間性が描かれていないし、粋なセリフの一つもないので、顔が良いだけでは主人公に魅力を感じない。読み易くするため意図的なのかもしれないが、会話が現代劇みたいでどうも入り込めない。後半になってクロベエという子供が出てきてからは面白くなってきたが、全体的には自分が求める時代小説ではなかった。楽しみにしていただけにちょっと残念。
2022/02/26
やまちゃん
半次、かっこよすぎなんですけど\(^-^)/ヤキモキするお小夜ちゃんになったつもりで読みました。こういった時代ものでも、久世ワールド全開で夢見心地で耽美な世界を堪能できました。ミステリー小説としても、素晴らしく機知に富んでいて面白かったです。最後は辛すぎましたが(*ToT)でも、救いはあって、この先の幸せが見えた気がしました。続編がないのが淋しいですが、月並みだけど半次と小夜には夫婦(めおと)になってほしい…なるしかないでしょう!
2014/09/07
ジョバンニ
ものすごく耽美なのに捕物帖。なんともカテゴライズしにくい、唯一無二の作品だと思いました。素晴らしい。しかし久世作品には本当に月夜がよく似合う…。
2014/05/04
satoshi
”夜中に子供が嗤っている”という書き出しが強烈な「童子は嗤う」から「昨日消えた男」までの6編で、察しのお小夜、居ながらの佐助、逃げ水半次たちが事件を解決していく捕物帳物だけど、所々にちりばめられた伏線が最終話「恋ひしくば」の衝撃的なラストに収斂していく。久世さんの本、再読も含めて読みふけりたい。文庫版あとがきは「幼友達」の皆川博子。
2013/11/30
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