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永遠も半ばを過ぎて (文春文庫 な 35-1)

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫 な 35-1)

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫 な 35-1)

作家
中島らも
出版社
文藝春秋
発売日
1997-09-10
ISBN
9784167585013
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永遠も半ばを過ぎて (文春文庫 な 35-1) / 感想・レビュー

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ケイ

頭が良くて愚かで、気の利いたセリフがどんどん出てくるほど頭の回転がはやくて行動が馬鹿で、心が弱くて強がって、屁理屈ばかり並べて、彼ほど口の上手くない真っ当な人の言うことを退ける。彼の文章は、ずっと親しかったある友人を思い出させ、彼の現状を見るに、本当に笑えない。ああまたここにも、賢い愚か者がひとり。実はブラッドベリの『とうに夜半を過ぎて』を読みたくて、間違えて手に取ったのだが、最後まで読んでしまった。

2020/04/18

遥かなる想い

らもワールド全開の痛快小説である。 三流詐欺師 相川の語りが軽快で 面白い。 詐欺師 相川と写植師 波多野、そして 宇井女史が加わった後の展開は 出来過ぎだが、痛快そのもので、馬鹿馬鹿しいが 面白い。

2024/06/16

青乃108号

小粒で気楽な作品で、すぐ読める。酒とクスリで小悪党がはたらくセコい詐欺の話。面白くはあるがそれ以上ではなく、あとには何も残らない。タイトルは秀逸だが、作中作のそれという扱いで本編には無関係で、タイトルから俺が勝手にイメージした作品とは違っていて残念だった。登場する3人はそれぞれ個性的であるが俺は好きになれない。

2021/10/20

ちはや@灯れ松明の火

酒の海に薬を溶かして電算写植機の小舟でぷかり漂う。アフリカ産タニシに裏書びっしり手形、痩せるお茶に大創業祭セール、胡散臭い嘘八百も味気ない文字の羅列もトリップフィルター通せば妙なる詩を紡ぎ出す。これは幽霊の書いた物語です、文字通りのゴーストライターです。詐欺師・写植屋・編集者、方向性の異なる言葉のプロがトリオを組んで生まれた美麗本。真・善・美、言霊がふれあい奏でる清かな音色。函入り、箔押し、クロス装、予価三千二百円、部数三千部と思いきや三万部、完売なるか。言葉の海に魂を溶かして、姿なき声に耳をすませて。

2013/01/29

白のヒメ

本好きな者としての私の幻想だろうか。文学や文章という言霊は、作家という媒体を利用してこの世に生まれてくるのだと信じているので、この作品は非常に琴線に触れた。さすが、らもさん。「三流の詐欺師たちを通して生まれた幽霊が書いた小説という胡散臭い本は、さらに胡散臭い経過を通してだけれど、多くの人に読まれるようになる」という物語。でも、多くの人に読まれるようになる小説というのは、結局そうなるべきの名作なのだろう。この世に生み出される手段はどうでもいいのだ。久しぶりのらもさん。やっぱり凄いです。

2015/09/09

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