水に眠る (文春文庫 き 17-1)
水に眠る (文春文庫 き 17-1) / 感想・レビュー
夢追人009
日常の謎を描き続ける北村薫さんの愛と人間性の物語集。本書は音楽CDに例えるならば傑作10編が収録されたベスト・アルバムみたいな感じでそれぞれに全く違った味わいが楽しめるでしょう。著者のあとがきの結びの言葉「これらは、人と人の、《と》に重きを置いて書かれた物語なのである」は意味深で決して単純ではなく一筋縄では行きませんね。また贅沢な解説では11人の方が10作とまとめを担当されていて懇切丁寧に心を尽くされた豪華な企画だと思いますね。謎解きパズルに拘らない人間心理の不思議さに迫る好著として一読をお奨めしますね。
2019/01/08
takaichiro
普通の日常を切り取る雰囲気の内容かと思いきや、不思議な世界に誘い込まれる短編集^_^霜降り明星のセイヤは頭の中が偶にグニャ〜となって何が何だかわからん様になるらしいが、この本を読んでいて何度か頭の中に渦が巻いた。そこから這い出してくるとホッとするがまたその感覚に戻ってみたい不思議な心理状態に。この本のもう一つ面白いところは贅沢な解説。11人の作家や編集者がそれぞれの作品を個々に語る^_^粋な演出を施された一冊、眠れない夜のナイトキャップにどうぞ^_^
2019/05/28
Aya Murakami
う~ん‥。難解なテーマの短編集でした。水の表面切り取ってカクテルにするとか‥(頭痛い)。でも実際にそんな飲み物あったらタイトルだけでもロマンチックだろうな‥。 これは再読が必要です。1回読んだだけでは理解できそうにない‥。文章は難しくないはずなのに‥。
2017/08/08
スカラベ
人と人の狭間を描く北村さんの短編集。10編それぞれが独立した物語。最後は、短編ごとに解説者が変わる贅沢な解説。冒頭の作品「恋愛小説」や「植物採集」は、不安な年代を迎えた女性の微妙な心境が語られるが終わり方は正反対。こういった女性の揺れ動く心理を描く北村薫らしい話もあれば、「くらげ」などの三崎亜記を彷彿とさせる不条理な話や、「矢が三つ」では2夫1妻の世界の設定があったりと様々。一番印象に残ったのは、表題作の「水に眠る」この中に出てくる美味しい水割が飲んでみたい。なんとか水面をめくるうまい方法はないだろうか。
2016/06/06
ダイ@2019.11.2~一時休止
贅沢な解説付きの短編集。くらげ・矢が三つなんかが良かったがこの本のジャンルは何?
2014/06/24
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