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いとま申して 『童話』の人びと (文春文庫 き 17-8)

いとま申して 『童話』の人びと (文春文庫 き 17-8)

いとま申して 『童話』の人びと (文春文庫 き 17-8)

作家
北村薫
出版社
文藝春秋
発売日
2013-08-06
ISBN
9784167586089
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いとま申して 『童話』の人びと (文春文庫 き 17-8) / 感想・レビュー

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starbro

北村薫は、新作中心に読んでいる作家です。最新作『いとま申して3 小萩のかんざし』を読む前に、未読の第一巻を読みました。本書は、私小説的昭和文藝年代記でした。『いとま申して』が、辞世の句の一部だと思いませんでした。続いて第二巻へ。トータルの感想は全三巻読了後に。

2018/04/23

gonta19

2018/4/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2024/7/1〜7/5 3年ぶりの北村作品。 北村氏の父親の日記をもとに、その青春時代を再構築する小説。1924年(14歳)から1929年(20歳)までの第一部。大正から昭和初期の文学青年の生活を描く。今でも有名な人たちの名前が次々と現れ、濃密な生活を送っていたことが伺える。続編もあるようなので楽しみである。

2024/07/05

kishikan

北村薫さんの小説が好きで二十数冊読んでいますが、新刊それも文庫で出たので、それっと飛びつき読み始めたのでした。読み進めるうち、実名がやたら多くて「アレっ?」と思っていたら、この本は北村さんのお父様のことを書いていたのですね。大正から昭和を生き、一時は童話作家を目指していたお父さん。当時の世相や学生生活、横浜界隈の様子が目に浮かぶようです。私の妻は神中(希望ヶ丘高校)卒業生。学校の歴史は話に聞いていましたが、北村さんらしく丁寧な取材をもとに書かれています。お父さんの日記に吸い込まれるようでした。

2013/12/18

Yuki

作家・北村薫が明治生まれの父・宮本演彦の青春時代の日記を読み解き、「六の宮の姫君」や「詩歌の待ち伏せ」を経た文学探偵の腕を振るう評伝風の小説。旧制中学に学び、読書や映画を愛し、創作を雑誌「童話」に投稿する青春時代。そうそうたる同時代人の名も連なるが、当時にしても学校の試験に青色吐息だったり、投稿作品が入選するか気になって仕方がなかったり、勉強が「うざつたい」と日記にこぼしたりする演彦の10代の少年らしさは現代とそう変わらないと思う。慶応の予科に入り、同人活動で挫折し本格的な勉学を志すところで次巻へ。

2018/06/18

いずむ

客観的に読む主観が、その視線に宿る感情を想像させる。風景の展開に、”父”の記憶を追体験しながらも、自分自身の思いが象られる。そして、彼の感情が放つ温度を感じながら、決して同化しない。その”近くて遠い距離”の正体を、付記を読んで識る。ボクはその背中に、彼の歩む道のりではなく、彼の生きた時代を見ていたのだ、と。内なる情熱は燃え盛らない。担いだ荷物も軽くはならない。ただ、昔から人はこうして芸術に燃え、それゆえに悩み、楽しみ、生きてきた。その一事で、胸の裡の空気が入れ替わったような、少し穏やかな心持ちがするのだ。

2013/12/17

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