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バサラ将軍 (文春文庫 あ 32-1)

バサラ将軍 (文春文庫 あ 32-1)

バサラ将軍 (文春文庫 あ 32-1)

作家
安部龍太郎
出版社
文藝春秋
発売日
1998-05-08
ISBN
9784167597016
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バサラ将軍 (文春文庫 あ 32-1) / 感想・レビュー

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如水

『逃げ上手の若君』に触発されて😅御話は現連載より少し後の御話が主で、リアル天下の副将軍=足利直義、野望の憑依者(by 伊東潤)=高師直、師直とDQN…じゃなかったバサラ大名=土岐頼遠、竹沢右京亮(誰?)、一休さんのとんち相手=足利義満、最後は義持(義満の子供ね)時代、貿易の進物である象と仲間達の若狭~京迄の道中記、計6編の短編集。南北朝時代の思想及び『バサラとは何なのか?何が対象となり得る者だったのか?』と言う事が良く分かる内容です。特に土岐頼遠の解釈は…中々感慨深いモノが😭徳と力は反発しあう。納得。

2021/08/17

エドワード

私は日本史のどの時代の物語も好きだが、最も興味深いのは中世である。一般的には難解とされ敬遠される南北朝時代と室町時代。安部龍太郎氏は「人が神仏と決別して己の力だけを頼りに生き始めた時代」と呼ぶ。この時代に英雄はいない。躁鬱な足利尊氏、神経質な足利直義、勝手放縦なバサラこと高師直に佐々木道誉。京都に朝廷と幕府が並び立ち、公家と武家が同じ空間で交差する。吉野に南朝がいる。果てしなき闘争の時代だ。南北朝を征した足利義満をもってしても冒せなかった皇位。武力でない権威が支配する日本の不思議がこの本では語られている。

2017/03/16

豆乳くま

南北朝時代から室町時代、尊氏、義満、師直、名前だけ知ってるけど位でお初にお目にかかります。師直が葵に懸想しする『師直の恋』、竹沢右京亮が裏切に裏切を重ねる苦悩『智謀の淵』、義満の恋の駆け引き『バサラ将軍』、朝廷に献上された象を巡る『アーリアが来た』などどれもとても面白かった。戦国時代とは違った顔ぶれが新鮮。

2015/09/20

マツユキ

最近よく読む室町時代。おなじみの足利直義、高師直。土岐頼遠も知っている。新田義興に仕える竹沢右京亮は、初めて。三代将軍、足利義満。勇ましさより、痛ましさを感じました。男女を含めた人間関係がしんどいですが、最後に収録された、四代将軍足利義持に献上された象を運ぶ『アーリアが来た』は爽快感がありました。

2021/08/17

TheWho

室町初期に生きた人物を主題に日本史上争乱と変革と事例を織り交ぜた短編集で、著者初期の歴史絵巻。初っ端は、足利尊氏の弟の足利直義。兄尊氏への複雑な想いに翻弄されながら中先代の乱から建武の新政反逆迄を描き、次にバサラ大名で足利家執事の高師直。光厳上皇の牛車に狼藉を働き結果誅殺された土岐頼遠、南朝の武将で、新田義貞の子の新田義興を裏切った竹沢右京亮の苦悩。表題の足利将軍最強の義満。そして謙譲されたインド像の移送の物語、共に著書の原点とも云える6編の物語です。

2022/12/18

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