貴腐 (文春文庫)
貴腐 (文春文庫) / 感想・レビュー
金吾
表題作は当時のフランス貴族の腐臭を感じながら読み進みましたが、最後はスッキリしたと思うと革命側の行為でまた暗澹とした気持ちになりました。家を重視した武家と異なり、西洋は血統を重視すると感じていましたが、違う意味で認識を誤っていたことがわかり、平安朝みたいだなあと思いました。大陸なので血の純粋性を保持するという感覚になりにくいのかなあとも思いました。
2023/10/05
a43
憎まれっ子世にはばかった話と、革命のために、かわいそうなことになる老女の2編。官能小説か!と思わせるくらいアレだが。フランスの革命当時の貴族の様子なんかがとても調べこまれていて、風俗史なのかと思うほど。さすが作者さま、フランス政府観光局名誉委員(なんだそれ凄そう←)
2016/08/16
momonnga
フランス革命に振り回される女たちが主役の話。表題作:貴腐はフランス貴族の退廃とした恋愛事情を赤裸々に描いたもの。夫との愛のある結婚を夢見て修道院から出てきたオディールは貴族社会の厳しい洗礼を受け真実の愛を諦め貴族社会に染まっていく。女ではなくなるとされる30歳の節目の前に、自分と同じ年齢の清らかなジュリエットに惹かれて堕落させようと企む。もう一つの「夜食」は革命よって教会というものが破壊され50年ぶりに世俗に引き戻された老修道女が性の喜びを知っていくというもの。藤本さんの文章はこの上なく優雅である。詩的で
2019/06/22
ぶっくlover
爛れている。 ブルボン王朝の頃の貴族の実態って、こんなものだったのかー
2019/06/21
めめめ
フランス革命時代を舞台にした中編「貴腐」「夜食(スペ)」2本収録。さすがフランス貴族というか、タイトルどおりの「高貴なる腐敗」の描写に圧倒させられる。「夜食」の主人公である老女も印象深いが、もう一人の語り手が「あの人」なのも面白い。
2016/11/16
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