女学生の友 (文春文庫 ゆ 4-4)
女学生の友 (文春文庫 ゆ 4-4) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
定年退職した60代の弦一郎。未菜たち4人の女子高校生(コギャルなどと呼ばれていた)。その両者の間に接点はないはずなのだが、実は思いがけない共通点があった。「残された時間が少ないという焦り、自信のなさ、世の中になにも期待しないで滅びを待ち望んでいるような」というのがそれである。そして、この両者の軌跡が交錯するところに、この物語は成立する。その交点はきわめて危うく、また脆い。だから小説の後に(読者にとっては読後に)残るのは、そこはかとない空虚である。こんな形で東京の今(十数年前だが)を照射するのがこの小説だ。
2015/04/18
みかさ
救いの無いようで、現実にあるような人物達がリアルに書かれている。でも寂しさだけしか感じなかった。
2014/10/11
kera1019
自分の気持ちとか思惑と関係なく過ぎていく毎日の隙間を埋めようとすればするほど、自分がわからなくなる感じがすごくわかります。 気持ちの良い言葉を並べた小説も良いのですが柳さんの描く焦りとかイライラに親近感を感じます。
2018/04/14
らすかるがみ
現代社会の影の部分を見るというかそういう類のものを見る気持ちになれる作品
2014/02/21
エネ
コギャルの世代の表現なので、私の印象は『昔』です。ただ、いつの時代も思春期は自分を見つめ直す時期で、自分の気持ちに名前を付けることさえできず、他者に説明すらできない様子は、若さを感じました。
2018/05/19
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