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蛇を踏む (文春文庫 か 21-1)

蛇を踏む (文春文庫 か 21-1)

蛇を踏む (文春文庫 か 21-1)

作家
川上弘美
出版社
文藝春秋
発売日
1999-08-10
ISBN
9784167631017
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蛇を踏む (文春文庫 か 21-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

再読。3つの短篇を収録。篇中の表題作『蛇を踏む』は1996年上半期芥川賞受賞作。当時は、これまでにはないまったく新しいタイプの小説だっただろう。もちろん、今でも川上弘美の作品は強い個性を放ち、独特の位置を占めているのだが。ご本人によれば「うそばなし」ということになるのだが、その「うそ」の奇妙なリアリティにこそが、まさにこの人の作品世界の固有性なのだろう。そして、文体のしなやかさが、それを支えている。しかも、しなやかでありながら存外に強靭でもあるのだ。不連続線を一気に飛び越えて世界を構築してしまうのだから。

2013/06/11

遥かなる想い

川上弘美の芥川賞受賞作を再読した。喪失の世界はやはり夏ではなく、冬に読むべきだった。

2010/08/21

やっさん

★★★ え、なにこれ、ホラー???意味不明。解釈不能。情景も自由に膨らまない。・・・でも、魔術のような表現力と言葉選びで、たちまち夢想の世界に引きずり込まれた。こりゃ妙な経験をしたなぁ。

2018/04/20

hit4papa

「本当」の中に「うそ」を持ち込んで、その「うそ」を「本当」の遊び場にしてしまうというテーマパーク的な感覚が素敵です。穿った見方をせずに、川上弘美さんの「うそばなし」を楽しみましょう。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった。夜のはじまりを告げる猛る馬は少女の吐息で大人しくなる、夜を支配するのは貴女。少女に口づけをしたい私は蛇だった。かかる天の川を飲みほしてミルク色に煌めくその唇、吸いこまれて吸うと蜜の味。吸うたびいとしさが募って、それは誰がためのいとしさか、少女はしおれてしまったのに。いつの間に眠りについた少女は光を放ち月下香はやわらかに花ひらき蜜は水滴になってどこまでもしたたる夜。空にかかる行燈片手に歩く夜はむらさき祭りは終わらないで明けの明星。

2020/04/30

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