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おめでとう (文春文庫 か 21-5)

おめでとう (文春文庫 か 21-5)

おめでとう (文春文庫 か 21-5)

作家
川上弘美
出版社
文藝春秋
発売日
2007-12-06
ISBN
9784167631055
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おめでとう (文春文庫 か 21-5) / 感想・レビュー

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nico🐬波待ち中

川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。みんな呑気でおおらかで。愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。「あのさ、俺さ、150年生きることにした。そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」別れ際に突然そう言った彼。その途方もない年数は叶う訳はないと知っている。気まぐれな言葉ということも。けれど、女はその言葉を忘れない。

2018/09/09

優希

再読です。短い話が色々入っていて、それら全てがキラキラして見えました。淡々とした文章なのに、愛おしさが感じられるのです。出会い、別れる。それは一瞬の出来事であるからこそ大切にすべきことなのだと思います。日常のほんのわずかな時間の中の輝きをすくい上げたかけがえのない物語が詰まっていました。

2018/06/26

優希

淡々とした文章の中に凄くキラキラしたものが詰まっている感じがします。 短い話が色々入ってますが、どの作品にも不思議な安定感があるので安心して読めます。日常のほんの一瞬を切り取って愛おしく書いているのが印象的でした。人はいつか別れるけれど、今出会って、大切に時間を共有しているのだから、その時間はかけがえのないものなんですよね。当たり前のことばかりの話なんですけど、置かれている状況や、素直になれない想いなどを丁寧な言葉で描いているので、リアルに刺さったり、共感したり。心にグッとくる表現が素敵です。

2014/05/29

あんこ

再読。川上作品に出てくる少し古めかしいことばを用いた会話が好きです。この人の紡ぐ物語はまさに「感じる」物語だなあと思いました。以前のレビューにも書いていましたが、川上作品を読むとつくづくおんなでよかったと思わされます。そのくらいやわらかいものだなあとも思います。男が出てこないおはなしに惹かれます。他の作品にもありますが、川上さんが描く女同士の物語は恋人でもなく、かといって単なる友人でもないような関係がとてもすきです。最後に収められている手紙のような「おめでとう」は、なんだかわからないけど泣いてしまいそう。

2014/10/24

あんこ

言葉のゆらゆらしたかんじに、ほっとします。恋愛の、ものすごくしあわせな部分と、それでいていつまでもそうしてはいられない儚さに、その感覚に思わず頷いてしまう。わからないけど、川上さんのこのような感覚的な部分を奥底ですくえるのだから、それだけでも女でよかったなんて思ってしまいます。

2013/11/17

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